植物図譜

6月

チシマフウロ

チシマフウロ (フウロソウ科フウロソウ属)【千島風露】(Geranium erianthum)本州中部で「フウロソウ」といえば、「ハクサンフウロ」や「アサマフウロ」を思い起こしますが、北海道ではこの「チシマフウロ」や「エゾフウロ」が主力のよ...

ケショウヤナギ

ケショウヤナギ (ヤナギ科ヤナギ属)【化粧柳】(Salix arbutifolia)上高地の梓川の景観を形作る要素のひとつとして、たいへん有名なヤナギです。しかし、上高地には他にも「オノエヤナギ」や「イヌコリヤナギ」「オオバヤナギ」「ドロノ...
高山植物

タカネナナカマド

タカネナナカマド (バラ科ナナカマド属)【高嶺七竃】(Sorbus sambucifolia)「ナナカマド」の仲間ですが、より高山性、寒冷地性で、本州中部以北と北海道の亜高山帯から高山帯に生育します。花がナナカマドより大きく花序が少なく、花...

ヒメムヨウラン

ヒメムヨウラン (ラン科サカネラン属)【姫無葉蘭】(Neottia acuminata)本州中部以北と北海道に分布し、亜高山帯下部などの針葉樹林下に生える菌従属栄養性の小さなランです。「ムヨウラン」と同様、葉緑素をもたず光合成をしない菌従属...
野山の植物

ネムロシオガマ

ネムロシオガマ (ハマウツボ科シオガマギク属)【根室塩竈】(Pedicularis schistostegia)高山や亜高山に咲く「シオガマ」の仲間は、「ヨツバシオガマ」や「タカネシオガマ」など紅紫色の花のものが多く、白系のものは「エゾシオ...

アツモリソウ

アツモリソウ (ラン科アツモリソウ属)【敦盛草】(Cypripedium macranthos var. speciosum)日本の野生蘭の中でも、たいへんレアで人気が高く、それだけに盗掘などの被害も多い「アツモリソウ属」の代表です。中部地...
6月

キバナノアツモリソウ

キバナノアツモリソウ (ラン科アツモリソウ属) 【黄花敦盛草】(Cypripedium yatabeanum) キバナアツモリアツモリソウ属特有の、大きな袋状の唇弁をもち、独特のまだら模様が迷彩パターンのようで面白い花です。「アツモリソウ」...
野山の植物

レブンキンバイソウ

レブンキンバイソウ (キンポウゲ科キンバイソウ属)【礼文金梅草】(Trollius rebunensis)礼文島固有種で、「チシマノキンバイソウ」によく似ていて同一種ともいわれていましたが、現在は別種とされています。黄色い花弁状に見える萼片...
野山の植物

マルバクスノキ

マルバクスノキ (クスノキ科ニッケイ属)【丸葉楠木】(Cinnamomum camphora var. cyclophyllum) 別名:マルバグス「クスノキ」の変種とされ、通常のクスノキに比べ葉の形が顕著に丸いものです。牧野富太郎氏が調査...
6月

エゾエンゴサク

エゾエンゴサク (ケシ科キケマン属)【蝦夷延胡索】(Corydalis fumariifolia subsp. azurea)長年にわたり、北海道の「エゾエンゴサク」と、本州の東北や北陸に分布するものは同種とみなされてきました。しかし、20...
6月

レブンアツモリソウ

レブンアツモリソウ (ラン科アツモリソウ属)【礼文敦盛草】(Cypripedium macranthos var. flavum)北海道の礼文島固有種にて、世界で礼文島だけに生育する野生ランです。「ホテイアツモリソウ」の変種で、クリーム色が...

ザリコミ

ザリコミ (スグリ科スグリ属)(Ribes maximowiczianum)妙な名前の植物ですが、語源は「砂利茱萸(ジャリグミ)」から来ているそうです。山地から亜高山に、やや稀に生える雌雄異株の落葉低木です。モミジ的な掌状3-5裂の葉が互生...

センダイハギ

センダイハギ (マメ科センダイハギ属)【先代萩】(Thermopsis lupinoides)主に海岸に近い砂地ややせ地に、鮮やかな黄色を彩る花です。個々の花を見ると、なるほど豆の花ですが、花が大きく蔓性でもないのでたいへん見栄えがします。...

シロスミレ

シロスミレ (スミレ科スミレ属)【白菫】(Viola patrinii) 別名:シロバナスミレ北海道と、本州中部以東の太平洋側に分布し、中部や関東では1000m以上の山地に分布します。「白花スミレ」という名から、「スミレ(マンジュリカ)」の...
野山の植物

オオバナノエンレイソウ

オオバナノエンレイソウ  (シュロソウ科エンレイソウ属)【大花延齢草】(Trillium camschatcense)「ミヤマエンレイソウ」、「エンレイソウ」の兄弟分ですが、花がたいへん大きく、やや上向きに咲きます。国内では北海道と北東北だ...
6月

ヒカゲスゲ

ヒカゲスゲ (カヤツリグサ科スゲ属)【日陰菅】 (Carex lanceolata) ほぼ全国の雑木林などの明るい林下に生える普通種です。とても細くて直線的な葉が株立ちになり、春に葉より高く伸びる花茎に花穂がつきます。先端には棒状の雄小穂が...

ホシザキユキノシタ

ホシザキユキノシタ (ユキノシタ科ユキノシタ属)【星咲雪ノ下】(Saxifraga stolonifera f. aptera)「ユキノシタ」の一品種で、基本的には普通のユキノシタと同じですが、花の形が特異なものです。通常のユキノシタは5枚...

トイシノエンレイソウ

トイシノエンレイソウ (シュロソウ科エンレイソウ属)【砥石延齢草】(Trillium smallii f. album)「エンレイソウ」の一品種で、萼片(外花被片)が淡緑色で雄蕊の葯が白色のもの。子房の色は赤紫色または緑色のどちらかです。基...

イワツクバネウツギ

イワツクバネウツギ (スイカズラ科イワツクバネウツギ属)【岩衝羽根空木】(Zabelia integrifolia)本州中部以西から四国、九州に隔離的に分布する低木で、「ツクバネウツギ」に似た花をつけますが、独自の一属一種の日本固有種です。...
野山の植物

タブノキ

タブノキ (クスノキ科タブノキ属)【椨の木】(Machilus thunbergii) 別名:イヌグス本州東北南部以南に分布する、照葉樹の代表のような高木です。主に暖地の海岸近くに多く、各地の社寺林に大木が保存されていることも多いようです。...

クモイコザクラ

クモイコザクラ (サクラソウ科サクラソウ属)【雲居小桜】(Primula reinii var. kitadakensis)山岳地の岩場に咲くサクラソウの仲間は地域によって各種ありますが、これは「コイワザクラ」の変種。南アルプス、八ヶ岳、富...

アズマシャクナゲ

アズマシャクナゲ (ツツジ科ツツジ属)【東石楠花】(Rhododendron degronianum)山岳地から亜高山近くに生えるシャクナゲで、関東地方中心に南東北から中部地方南部まで分布し、西日本の「ホンシャクナゲ」と分布を分けています。...
6月

イチイ

イチイ (イチイ科イチイ属)【一位】(Taxus cuspidata) 別名:アララギ、シャクノキほぼ日本全国に分布する常緑針葉樹ですが、山地や亜高山に生えあまり群生はしないようです。古来、高級な笏の材として使われ、樹木に対して正一位の位階...
野山の植物

ドロノキ

ドロノキ (ヤナギ科ヤマナラシ属)【泥の木】(Populus suaveolens) 別名:ドロヤナギヤナギ科の落葉高木ですが、普通のヤナギ類というよりも「ポプラ」の仲間です。材木が泥のように柔らかいからとか、樹皮が泥の色とか、名前の語源に...

コマツヨイグサ

コマツヨイグサ (アカバナ科マツヨイグサ属)【小待宵草】(Oenothera laciniata)北アメリカ原産の帰化植物で、本州以南の全国に帰化しています。マツヨイグサの仲間の中でも一番小型で、海岸や河川などの乾いた砂地や道路沿いなどに匍...
野山の植物

キバナイカリソウ

キバナイカリソウ (メギ科イカリソウ属)【黄花錨草】(Epimedium koreanum)名前の通り、薄黄色のイカリソウですが、単に「イカリソウ」の色違いではなく別種です。北海道、近畿以北の主に日本海側に多く分布し、山地の林内に生えます。...
野山の植物

サワトラノオ

サワトラノオ (サクラソウ科オカトラノオ属)【沢虎の尾】(Lysimachia leucantha) 別名:ミズトラノオ川岸や原野などの低地の湿地に生育し、ヨシ原の中に細い茎を直立して三角錐型の穂状の花序をつけます。花は花序の下から咲き上が...
野山の植物

ナヨナヨワスレナグサ

ナヨナヨワスレナグサ (ムラサキ科ワスレナグサ属)【なよなよ勿忘草】(Myosotis laxa subsp. baltica) 別名:タビラコモドキ沼津から富士あたりにかけての湿地帯や用水路などに生育する新種として、昭和47年に発表された...

ミヤマウグイスカグラ

ミヤマウグイスカグラ (スイカズラ科スイカズラ属)【深山鶯神楽】(Lonicera gracilipes var. glandulosa)「ウグイスカグラ」とほぼ同様の低木ですが、花や萼片、葉柄や葉にも毛が多く、腺毛が混ざります。子房にも、...
高山植物

ヒダカソウ

ヒダカソウ (キンポウゲ科キタダケソウ属)【日高草】(Callianthemum miyabeanum)世界中で、日高山脈のアポイ岳や幌満岳周辺だけに特産する固有種。アポイ岳のカンラン岩による超塩基性土壌に特化した植物で、石灰岩に特化した「...
野山の植物

ハルユキノシタ

ハルユキノシタ (ユキノシタ科ユキノシタ属)【春雪ノ下】(Saxifraga nipponica)「ユキノシタ」に似て非なるやや希少種で、ユキノシタと花の形は同様ですが、紅色の斑紋が無く黄色のみの斑紋となります。ただし、ユキノシタの花は変異...
野山の植物

エゾユズリハ

エゾユズリハ (ユズリハ科ユズリハ属)【蝦夷譲葉】(Daphniphyllum macropodum subsp. humile)「ユズリハ」の積雪地帯亜種で、中部以北の本州日本海側と北海道に分布。ユズリハは普通幹が一本立で高さが10m以上...
3月

タツタソウ

タツタソウ (メギ科タツタソウ属)【竜田草】(Jeffersonia dubia) 別名:イトマキグサ朝鮮半島北部から中国東北部、アムール地方に分布し、山地の林床に生育します。日露戦争当時、軍艦「竜田」の乗員が持ち帰ったことから名付けられた...

チチブイワザクラ

チチブイワザクラ (サクラソウ科サクラソウ属)【秩父岩桜】(Purimura reinii var. rhodotricha)「コイワザクラ」の変種で、秩父の武甲山にのみ生育する固有種。コイワザクラとほぼ同様ですが、花が大きめで葉柄や花茎に...
野山の植物

ヒメアマナ

ヒメアマナ (ユリ科キバナノアマナ属)【姫甘菜】(Gagea japonica)「アマナ」とは別属の「キバナノアマナ属」に属し、「キバナノアマナ」によく似ていますが、ずっと小さく弱々しい花です。6枚の花被片の外側が薄緑になっている点なども、...
野山の植物

ヒメアオキ

ヒメアオキ (アオキ科アオキ属)【姫青木】(Aucuba japonica var. borealis)「アオキ」の日本海側多雪地帯型の変種とされ、豪雪地の環境や季節サイクルに特化した小型の種類です。太平洋側の「アオキ」とほぼ同じですが、幹...
野山の植物

カタバミ

カタバミ (カタバミ科カタバミ属)【片喰】(Oxalis corniculata)昔から日本中どこにでもある、ありふれた雑草ですが、最近では都市部などでは帰化種の「オッタチカタバミ」に押され気味な感じです。道端や畑の縁など乾燥した場所に多く...
野山の植物

ミチノクエンゴサク

ミチノクエンゴサク (ケシ科キケマン属)【陸奥延胡索】(Corydalis capillipes) 別名:ヒメヤマエンゴサク「スプリング・エフェメラル」のひとつで、「ヤマエンゴサク」や「オトメエンゴサク」に似た仲間ですが、はるかに小型の種類...

キバナカタクリ

キバナカタクリ (ユリ科カタクリ属)【黄花片栗】(Erythronium spp.) 西洋カタクリ「キバナカタクリ」は「シロバナカタクリ」とは違い、「カタクリ」の色違いでなく全くの別種です。北米原産の園芸品種で、原種の (Erythroni...

ムニンタツナミソウ

ムニンタツナミソウ (シソ科タツナミソウ属)【無人立浪草】(Scutellaria longituba)「ムニン」の名が表すとおり、小笠原諸島の固有種です。小笠原諸島の中でも、父島と兄島だけに分布し林内や岩場に自生するようです。花は白色で、...