アツモリソウ (ラン科アツモリソウ属)【敦盛草】
(Cypripedium macranthos var. speciosum)
日本の野生蘭の中でも、たいへんレアで人気が高く、それだけに盗掘などの被害も多い「アツモリソウ属」の代表です。
中部地方以北と北海道に分布し、山地の草原や明るい林内に生育します。
唇弁が丸く大きな独特の袋状になり、すぼまった口が空いています。
側花弁は両側に垂れ下がったようにつき、同色の背萼片が唇弁を庇のように覆い、側萼片は1枚に合着して唇弁の後ろに隠れています。
葉は幅広く大きく立派で、「ギボウシ」や「コバイケイソウ」に似ています。
「特定国内希少動植物種」に指定され、許可なく採集すれば、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金が課せられます。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
分布する全ての都道府県で絶滅危惧指定または絶滅認定。
日本の野生ランの中でも異彩を放つアツモリソウ属には、「アツモリソウ」「ホテイアツモリ」「レブンアツモリソウ」「クマガイソウ」「キバナノアツモリソウ」「コアツモリソウ」などがあり、どれも袋状に膨らんだ唇弁をもつユニークな花を咲かせます。
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三ツ峠では人による盗掘と、鹿による食害を防ぐため、厳重な管理がなされています。
近年、無菌培養播種の技術が進んだため、園芸用の種苗を生産することも可能になっているようです。
ただし、その場合も販売や譲渡には届け出や許可が必要です。