ウチョウラン (ラン科ウチョウラン属)【羽蝶蘭】
(Hemipilia graminifolia var. graminifolia)
背丈5-20cmほどの小柄で可憐な野生蘭です。
主に関東以西の低山の岩場に自生し、白と紅紫色の花を咲かせます。
唇弁は3深裂し、通常濃色の斑紋が入ります。
背萼片と側花弁が合わさって兜状になり、側萼片は斜め上に開き、細長い距があります。
葉は細長い線形のものが2-3枚つきますが、花の無いときだと他のよくある単子葉類の草に紛れて見つけられないかもしれません。
昭和40年代ころに山野草ブームとともに「羽蝶蘭ブーム」が起き、園芸栽培のための商業的な乱獲が激しく行われたため、全国的に絶滅に瀕しています。
現在では無菌播種などによる人工増殖技術が確立し、多くの改良品種が作出されて完全に園芸植物として流通しているのですが、野生個体の回復には至っていないようです。
全国の生育地の全ての都府県で絶滅危惧Ⅱ類 (VU)以上に指定されています。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
山梨県:絶滅危惧種ⅠA類 (CR)