シロスミレ (スミレ科スミレ属)【白菫】
(Viola patrinii) 別名:シロバナスミレ
極めてシンプルな名前の通り、白色の花のスミレ。
しかし「スミレ(マンジュリカ)」の白花ではなく、全くの別種です。
本州中部以北の主に太平洋側に分布し、中部地方では標高1000m以上の日当たりの良い山地草原や高原に生育します。
北海道では低地の草原に多いようです。
花は純白で中心が黄緑色を帯び、唇弁と側弁に紫条が入りますが、他の白いスミレのように個体によって紫や赤みがかるということはないようです。
花茎や萼片、葉柄なども明るい緑色でいわゆる「素心」に近い感じなので、遺伝的に赤い色素が少ないのでしょう。
花の花柱は「カマキリ頭型」で、距は太く短かめ、側弁基部には毛が生えています。
葉は地面から垂直気味に生え、翼のある葉柄は葉より長くなります。
西日本の高地には変種の「ホソバシロスミレ」が分布します。