山岳の植物

6月

ウルップソウ

ウルップソウ (オオバコ科ウルップソウ属)(ウルップソウ科)【得撫草】(Lagotis glauca) 別名:ハマレンゲ高山の岩礫地に生える、氷河期の遺存植物で、日本ではごく一部の地域に隔離分布します。国内での生育地は北アルプス北部と八ヶ岳...
6月

ヒメイチゲ

ヒメイチゲ (キンポウゲ科イチリンソウ属)【姫一華】(Anemone debilis)イチリンソウ属の「イチゲ」の類の中でも一番小さな可愛いイチゲです。雪解け後の湿地に近い亜高山の林縁にぽつぽつと生え、「ミズバショウ」や「タテヤマリンドウ」...
6月

ミヤマナガハシスミレ

ミヤマナガハシスミレ (スミレ科スミレ属)【深山長嘴菫】(Viola rostrata subsp. japonica f. alpina)「ナガハシスミレ」の亜高山型で蛇紋岩変異をうけた品種とされます。八方尾根などを中心とした白馬山系蛇紋...
6月

シロバナシラネアオイ

シロバナシラネアオイ (キンポウゲ科シラネアオイ属)【白花白根葵】(Glaucidium palmatum f. leucanthum)世界に1属1種で日本固有の花である「シラネアオイ」は一般には淡紫色ですが、ときに白花が現われます。これは...
6月

トチナイソウ

トチナイソウ (サクラソウ科トチナイソウ属)【栃内草】(Androsace chamaejasme subsp. capitata)日本に1属2種しか存在しないうちの1種でたいへん希少な高山植物です。確認されている生育地は日本で4箇所しかな...
6月

オオタチツボスミレ

オオタチツボスミレ (スミレ科スミレ属)【大立坪菫】(Viola kusanoana)低山から亜高山までの林縁に生えるスミレで、北海道から九州まで見られますが日本海側の多雪地に分布します。花は「タチツボスミレ」とほぼ同様ですが距が白く、花は...
6月

ユウバリソウ

ユウバリソウ (オオバコ科ウルップソウ属)(ゴマノハグサ科)【夕張草】(Lagotis takedana)北海道夕張岳の蛇紋岩崩壊地にだけ生育する固有種で、「ウルップソウ」が蛇紋岩地帯で特殊化したものと考えられています。ウルップソウによく似...

ホテイラン

ホテイラン (ラン科ホテイラン属)【布袋蘭】(Calypso bulbosa var. speciosa)長野県、山梨県、静岡県の一部地域にのみ生育する希少な蘭で、それぞれの県で絶滅危惧Ⅰ類となっています。奇妙な花を咲かせるものが多い蘭の中...
6月

ムヨウラン

ムヨウラン (ラン科ムヨウラン属)【無葉蘭】(Lecanorchis japonica)「無葉」の名の通り、葉を持たず自ら光合成を行なわない小型の蘭で、本州以南の丘陵や低山の林下に生えます。昔は「腐生植物」と呼ばれ腐植質などから養分を得てい...
6月

ミズチドリ

ミズチドリ (ラン科ツレサギソウ属)【水千鳥】(Platanthera hologlottis) 別名:ジャコウチドリ「ツレサギソウ」の仲間の野生蘭で、似たような花序ですが、花色が純白で唇弁が長く伸びず普通の花弁のような形です。穂状の花序は...

ズミ

ズミ (バラ科リンゴ属)【酸実】(Malus toringo) 別名:コナシ、コリンゴ初夏の高原でサクラに似た白い花が猛烈な密度で咲いていれば、大概このズミです。リンゴに近縁な野生種で、リンゴ栽培の台木として使われてきたそうです。秋には鳥の...

ホソバノアマナ

ホソバノアマナ (ユリ科チシマアマナ属)【細葉甘菜】(Lloydia triflora) 別名:ホソバアマナ「アマナ」をか弱くコンパクトにしたような花で、花の径は1cm-1.5cmほどしかありません。花色は白ですが花被片内側にはうす緑の筋が...

サナギイチゴ

サナギイチゴ (バラ科キイチゴ属)【猿投苺】(Rubus pungens var. oldhamii)ブナ帯などの深山の林縁に生える「木イチゴ」の仲間で、低い草の間で地を這うように生えますが落葉小低木です。茎が蔓状に長く伸びはっきりとした棘...

イボタヒョウタンボク

イボタヒョウタンボク (スイカズラ科スイカズラ属)【水蝋瓢箪木】(Lonicera demissa var. demissa)山梨県から静岡・埼玉・長野県にかけて分布する、いわゆる「フォッサマグナ要素」の植物です。山地~亜高山の林内や林縁に...

タデスミレ

タデスミレ (スミレ科スミレ属)【蓼菫】(Viola thibaudieri)現在、日本で自生地がただ一か所のみというたいへん希少なスミレです。その姿もきわめて独特なもので、山地の落葉樹林下にすっくと立ち上がり、スミレとは思えない「タデ」の...

エゾノコリンゴ

エゾノコリンゴ (バラ科リンゴ属)【蝦夷小林檎】(Malus baccata var. mandshurica)信州の山中で頭上に白い花が満開。時期柄「ズミ」だと思ったが、花序が全体に純白で花が大き目な感じでした。また、雄しべが短めで、葉に...

サクラスミレ

サクラスミレ (スミレ科スミレ属)【桜菫】(Viola hirtipes)日本産の野生スミレの中で最大の花を咲かせ、「スミレの女王」と称される豪華な花です。ほぼ全国的に分布するものの、里には無く、標高のある山地の日当たりの良い草原に生育しま...

イワネコノメソウ

イワネコノメソウ (ユキノシタ科ネコノメソウ属)【岩猫の目草】(Chrysosplenium echinus) 別名:イワネコノメ関東以西の山地の湿った林床に生え、主に太平洋側に分布。花期には根生葉がなく、茎葉は対生で無毛、鋸歯が目立ちギザ...

マルバネコノメソウ

マルバネコノメソウ (ユキノシタ科ネコノメソウ属)【丸葉猫の目草】(Chrysosplenium ramosum) 別名:マルバネコノメ近畿地方以北の山地の林下の湿った場所に生えます。花期に根生葉は無く、走出枝が多数出て、茎葉は対生で丸く葉...

クルマバツクバネソウ

クルマバツクバネソウ (シュロソウ科ツクバネソウ属)【車葉衝羽根草】(Paris verticillata)深山や亜高山に生育する「ツクバネソウ」の仲間で、ツクバネソウが4枚葉なのに対して6-8枚の葉が輪生します。葉序はちょうど「キヌガサソ...

ルイヨウショウマ

ルイヨウショウマ (キンポウゲ科ルイヨウショウマ属)【類葉升麻】(Actaea asiatica) 2021/05/23 長野県比較的深山の森の中に生え、3出複葉の葉が「サラシナショウマ」などに似るので升麻の名がついています。短いブラシ状の...

シロバナエゾノタチツボスミレ

シロバナエゾノタチツボスミレ (スミレ科スミレ属)【白花蝦夷の立坪菫】(Viola acuminata f. alba)そもそも、「エゾノタチツボスミレ」は白っぽい紫や白花が多いようで、白花を「f. alba」として品種分けする必要があるの...

ヒゲネワチガイソウ

ヒゲネワチガイソウ (ナデシコ科ワチガイソウ属)【髭根輪違草】(Pseudostellaria palibiniana)「ワチガイソウ」の仲間で、似ていますが花や葉が細く、もう少し標高の高めのところに咲く種類です。ワチガイソウは5弁花ですが...
野山の植物

エゾノタチツボスミレ

エゾノタチツボスミレ (スミレ科スミレ属)【蝦夷の立坪菫】(Viola acuminata)「蝦夷」の名がついていますが、北海道限定ではなく本州中部域まで分布します。とはいえ、やはり北方系のようで、本州中部では山地性という感じで標高の高い高...

アズマシライトソウ

アズマシライトソウ (シュロソウ科シライトソウ属)【東白糸草】(Chionographis hisauchiana subsp. hisauchiana)「シライトソウ」の亜種または変種とされる種類で、埼玉県~東京都の山地の林下に生育します...
9月

オカタツナミソウ

オカタツナミソウ (シソ科タツナミソウ属)【丘立浪草】(Scutellaria brachyspica)タツナミソウの仲間も多くの種類があり、なかなか分かりにくいですが、これは「オカ」の名が付くように低山や丘陵地に多い種類です。「タツナミソ...
4月

ビロードシダ

ビロードシダ (シダ植物ウラボシ科ヒトツバ属)【天鵞絨羊歯】(Pyrrosia linearifolia)岩などのに着生して群生することが多い単葉のシダです。「ヒメノキシノブ」に形は似ていますが、表面に星状毛が密生するのでビロード状で、遠目...
3月

ミツガシワ

ミツガシワ (ミツガシワ科ミツガシワ属)【三槲】(Menyanthes trifoliata)亜寒帯や高い山の湿原や沼に生える抽水植物で、地下茎で群生になります。特徴的な3小葉が水面から突き出し、柏の葉に似ることから名付けられています。同科...
3月

ナニワズ

ナニワズ (ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属)【難波津】(Daphne jezoensis) 別名:ナツボウズ同じナツボウズ(夏坊主)の名をもつ「オニシバリ」とそっくりで、同様に夏には葉を落としてしまいます。オニシバリよりも大きめの葉で先端が丸...
高山植物

アサギリソウ

アサギリソウ (キク科ヨモギ属)【朝霧草】(Artemisia schmidtiana)細かく柔らかな繊細な葉に銀白色の絹毛が生えているので、朝霧のけむる風情を感じさせるという風流な名前です。高山帯の岩場や礫地、北方の海岸の岩場や崩壊地など...
高山植物

ハヤチネウスユキソウ

ハヤチネウスユキソウ (キク科ウスユキソウ属)【早池峰薄雪草】(Leontopodium hayachinense)学名(種小名)にも「hayachine」と付くように、岩手県・早池峰山の特産種です。至仏山の「ホソバヒナウスユキソウ」と同様...
9月

コフウロ

コフウロ (フウロソウ科フウロソウ属)【小風露】(Geranium tripartitum)夏の終りに「ゲンノショウコ」そっくりの花を咲かせ、ゲンノショウコかと見過ごしがちです。日向ではなく山地の林下地面に低く生え、ゲンノショウコのような勢...
高山植物

シコタンソウ

シコタンソウ (ユキノシタ科ユキノシタ属)【色丹草】(Saxifraga bronchialis subsp. funstonii var. rebunshirensis)別名:レブンクモマソウ本州中部以北から北海道に分布し、中部山岳では北...
12月

オオシラガゴケ

オオシラガゴケ (蘚類シラガゴケ科シラガゴケ属)【大白髪苔】(Leucobryum scabrum)林内の日陰ながら薄日がさすようなところに生え、長さ5-10cmほどになる大型のコケです。独特の白緑色でちょっと「サルオガセ」や「ハナゴケ」の...

メギ

メギ (メギ科メギ属)【目木】(Berberis thunbergii) 別名:コトリトマラズ「メギ科」というと、「イカリソウ」や「サンカヨウ」「ルイヨウボタン」「ヒイラギナンテン」など個性的な少数派を擁する科です。その名前の元締めである「...
山岳の植物

フクロシダ

フクロシダ (イワデンダ科イワデンダ属)【袋羊歯】(Woodsia manchuriensis)山地の湿った岩場に垂れ下がって生える小型の夏緑性シダです。薄く柔らかい葉で、葉身は基部に向かって細くなり、下部の羽片は短く丸っこくなります。ソー...
9月

オオエビラシダ

オオエビラシダ (ナヨシダ科ウサギシダ属)【大箙羊歯】(Gymnocarpium x bipinnatifidum) 別名:キレハエビラシダ「エビラシダ」は、深山の湿った岩壁や斜面に生育するやや希少なシダで、葉身と葉柄の継ぎ目が120°ほど...
野山の植物

オシダ

オシダ (シダ植物オシダ科)【雄羊歯】(Dryopteris crassirhizoma)北海道から本州、四国の山地に分布する大型のシダで、根茎が横に伸びないので放射状の株立ちになります。「イノデ」の類にも似ていますが、イノデ類よりも毛深く...
10月

ブナ

ブナ (ブナ科ブナ属)【山毛欅】(Fagus crenata)日本の自然度の高い山での落葉広葉樹の代表のような樹木です。北海道南部から鹿児島県までの山地に広く分布し、本州では概ね600~1,600mぐらいの垂直分布とされています。ブナの森は...
10月

レイジンソウ

レイジンソウ (キンポウゲ科トリカブト属)【伶人草】(Aconitum loczyanum)トリカブトの仲間で、主に四国や九州の明るい林や草原に生育します。伶人が被る冠のような花は淡い紅紫色で、花にも花柄、茎にも毛が生えています。トリカブト...