ブナ (ブナ科ブナ属)【山毛欅】
(Fagus crenata)
日本の自然度の高い山での落葉広葉樹の代表のような樹木です。
北海道南部から鹿児島県までの山地に広く分布し、本州では概ね600~1,600mぐらいの垂直分布とされています。
ブナの森は天然の緑のダムと言われるほど保水力が高いのですが、ブナの木が構造的に雨水を効率的に集める能力をもっています。
葉の直線的な側脈で水滴を送り、上に大きく広がった樹形により漏斗のように雨水を集め、幹を伝う樹幹流として根元に流し、長年にわたって毎年降り積もった分厚い落ち葉の腐葉土に溜め込みます。
水分を呼び込む樹皮には多くの地衣類やコケ類が生育し、ブナの木特有の迷彩柄のような模様の元となっています。
また、ブナの実は森に棲むツキノワグマやニホンザル、リス、ムササビ、ネズミなどの貴重な食料となっています。
山梨県乙女高原のブナの巨木
通称「ブナじいさん」 推定樹齢400年