山岳の植物

コブシ

コブシ (モクレン科モクレン属)【辛夷】 (Magnolia kobus) まだ肌寒い春のころに毛深い花芽をつけ、急に陽気が暖かく春めいた数日にいきなり一気に咲きだす印象があります。 「モクレン」の仲間の中でも早めに咲きだし葉の展開よりも先...
3月

アカガシ

アカガシ (ブナ科コナラ属)【赤樫】 (Quercus acuta) 東北以南の山地に自生する常緑樹で、「シラカシ」「アラカシ」などに比べて赤っぽい幹ですが、実際は材が赤褐色であることからきた名前のようです。 若い樹では他の樫と同様に平滑で...
3月

エンピツセッコク

エンピツセッコク (ラン科セッコク属)【鉛筆石斛】 (Dendrobium teretifolium) オーストラリア東部海岸地方の山地の熱帯雨林や湿潤林に分布する着生蘭。 「セッコク」の仲間で、「鉛筆」というのは長い円筒形に変化した独特の...
3月

クリハラン

クリハラン (シダ植物ウラボシ科クリハラン属)【栗葉蘭】 (Neolepisorus ensatus) 特徴的な単葉の常緑シダで、大きな葉は薄手で硬く光沢があります。 「ヒトツバ」などに似ていますが、もっと大きく、丸いソーラスが1-3列に連...

バイカオウレン

バイカオウレン (キンポウゲ科オウレン属)【梅花黄蓮】 (Coptis quinquefolia) 別名:ゴカヨウオウレン(五加葉黄蓮) 亜高山に近いシラビソなどの苔むした針葉樹林下に多く、「ミツバオウレン」に似ていますが、根生葉の小葉が5...
野山の植物

ムクロジ

ムクロジ (ムクロジ科ムクロジ属)【無患子】 (Sapindus mukorossi) 関東以南の山地に自生する落葉樹ですが、寺社の境内などにもよく植えられています。 丸い果実の中に入っている種子が黒い球形でとても硬く、数珠玉に使われたよう...
9月

イワキハグマ

イワキハグマ (キク科コウヤボウキ属)【磐城白熊】 (Pertya x suzukii) 茨城県の八溝山地や磐城地方南部に限られた分布を持つ植物で、「クルマバハグマ」と「オヤリハグマ」の自然交雑種とされています。 低山の草原や落葉広葉樹林に...
3月

タラヨウ

タラヨウ (モチノキ科モチノキ属)【多羅葉】 (Ilex latifolia) 静岡以西~九州に分布する常緑高木ですが、寺院や庭園などに植えられていることも多いようです。 雌雄異株で、春から初夏に淡黄緑色の花が咲き、秋には赤い実が生ります。...
12月

ヤツガダケトウヒ

ヤツガダケトウヒ (マツ科トウヒ属)【八ヶ岳唐檜】 (Picea koyamai) 別名:ヒメマツハダ 近縁種の「ヒメバラモミ」同様、氷河期遺存種とみられる日本特産の針葉樹で、八ケ岳の西岳と南アルプスの海抜1000-2000mの一部にのみ分...
高山植物

メコノプシス・グランディス

メコノプシス・グランディス (ケシ科メコノプシス属) (Meconopsis grandis)「ヒマラヤの青いケシ」 「メコノプシス属(Meconopsis)」は、ネパール、ブータン、インド、パキスタン、中国などのヒマラヤ山脈周辺、および中...
12月

ヒメバラモミ

ヒメバラモミ (マツ科トウヒ属)【姫荊棘樅】 (Picea maximowiczii) 山岳地の針葉樹としてメジャーな「トウヒ」の仲間ですが、奥秩父・八ヶ岳と南アルプス北東部に分布する希少種で、現在の成木は1,000-2,000ほどしかない...
3月

イヌシデ

イヌシデ (カバノキ科クマシデ属)【犬四手】 (Carpinus tschonoskii) 丘陵地の雑木林に「クヌギ」や「コナラ」とともに多く生える落葉樹です。 幹は灰色で独特の縦縞模様が入り綺麗です。 には12-15対の側脈がはっきりと入...
9月

シュムシュノコギリソウ

シュムシュノコギリソウ (キク科ノコギリソウ属) 【占守鋸草】 (Achillea alpina subsp. camtschatica) 北海道北部、利尻島、礼文島の山地草原に見られる北方系の「ノコギリソウ」の亜種です。 カムチャツカから...
12月

クヌギ

クヌギ (ブナ科コナラ属)【櫟、椚木】 (Quercus acutissima) 「コナラ」と並んで関東地方の雑木林の代表樹です。 古代より人との関わりが深く、狩猟採集時代には食料としてのドングリとして、また成長が早いので材木や薪炭として里...
高山植物

プリムラ・ビアリー

プリムラ・ビアリー (サクラソウ科サクラソウ属)【穂咲桜草】 (Primula vialii) 原産地は中国の四川省や雲南省で、標高2,800~4,000mの湿地や谷沿いに咲く高山植物です。 円錐形の独特な花序ですが、意外なことに「サクラソ...
野山の植物

オオイタチシダ

オオイタチシダ (オシダ科オシダ属)【大鼬羊歯】 (Dryopteris pacifica) 東北南部以南の低山に生える常緑性のシダですが、イタチシダの仲間は変異が多くバリエーション豊富で細かい同定が難しい種類です。 この種類は小羽片の中ほ...
12月

ヤマウルシ

ヤマウルシ (ウルシ科ウルシ属)【山漆】 (Toxicodendron trichocarpum) 全国の低山や丘陵地に生え、幹の上部から横に放射状に枝を伸ばし、奇数羽状複葉の葉をつけます。 小葉は先端のほうが大きく下のほうが小さく4-8対...
6月

イタヤカエデ

イタヤカエデ (ムクロジ科カエデ属)【板屋楓】 (Acer pictum) (エンコウカエデ) 「イタヤカエデ」はカエデ属イタヤ節の総称で、細かくは多くの変種や品種があり地域変異が多いようです。 5-7裂する葉は切れ込みが浅く鋸歯がないタイ...
野山の植物

アオハダ

アオハダ (モチノキ科モチノキ属)【青肌】 (Ilex macropoda) 全国の丘陵地や山地の雑木林に生える落葉高木です。 とはいっても最大10-15mほどまでで、いわゆる「巨樹」にはなりません。 樹皮はわりあい滑らかで「エノキ」に似た...
高山植物

ノモカリス・フォレスティ

ノモカリス・フォレスティ (ユリ科ノモカリス属) (Nomocharis forrestii) 中国の雲南省北西部から四川省南西部にかけて分布する多年草。 標高3000~3800mの林下に咲く球根性の高山植物です。 茎上部の葉腋から大きな花...
12月

ウチワゴケ

ウチワゴケ (シダ植物コケシノブ科アオホラゴケ属) (Crepidomanes minutum) 「コケ」の名がついていますが、れっきとした常緑性のシダ植物です。 山地の森林の中の湿った樹皮や岩上に、まさに苔のように群生します。 丸い葉は掌...
山岳の植物

サンイントラノオ

サンイントラノオ (オオバコ科クワガタソウ属)【山陰虎の尾】 (Veronica ogurae) 島根県固有の植物で、限られた山岳地の急峻な岩場に生え、ひょろひょろと細い茎が伸びると岩から垂れ下がるように咲くようです。 「トラノオ」の名です...
山岳の植物

マルバノキ

マルバノキ (マンサク科マルバノキ属)【丸葉の木】 (Disanthus cercidifolius)  別名:ベニマンサク 「マンサク」の仲間でハート形の葉が丸っこいから「丸葉の木」と、いささか安易なネーミングですが、自生は珍しい樹木です...
12月

ミズメ

ミズメ (カバノキ科カバノキ属)【水芽】 (Betula grossa) 別名:ヨグソミネバリ(夜糞峰榛)、アズサ(梓) 岩手県以南から九州までの山岳地に分布し、ブナ帯あたりに生える高木です。 「ダケカンバ」や「シラカンバ」などと同科ですが...
山岳の植物

スギラン

スギラン (シダ植物ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)(ヒカゲノカズラ植物門)【杉蘭】 (Huperzia cryptomerina) 北海道東部から本州、四国、九州に分布し、深山の樹幹や岩上に着生する常緑のシダです。 「ラン」ではなく「シ...
山岳の植物

ジンジソウ

ジンジソウ (ユキノシタ科ユキノシタ属)【人字草】 (Saxifraga cortusifolia) 別名:モミジバダイモンジソウ 「ユキノシタ」や「ダイモンジソウ」に似て非なる仲間で、5弁の花弁のうち下2枚だけが長く伸び「人」という文字の...

キレンゲツツジ

キレンゲツツジ (ツツジ科ツツジ属)【黄蓮華躑躅】 (Rhododendron molle subsp. japonicum f. flavum) 「レンゲツツジ」の黄花品種です。 花色以外は普通の赤いレンゲツツジと同様で、通常のレンゲツツ...
野山の植物

ツチグリ

ツチグリ (担子菌類ツチグリ科)【土栗】 (Astraeus hygrometricus) 形のユニークさからはトップクラスのキノコですが、意外と全国何処にでもある普通種です。 胞子袋の外側の厚手の外皮が6-10片ほどに裂けて開き、ヒトデの...
10月

タカオヒゴタイ

タカオヒゴタイ (キク科トウヒレン属)【高尾平江帯】 (Saussurea sinuatoides) 高尾山で初めて発見され「タカオ」の名を冠された花は「タカオスミレ」を代表にいくつかありますが、これもそのひとつ。 「タカネヒゴタイ」や「ミ...
山岳の植物

ウスゲタマブキ

ウスゲタマブキ (キク科コウモリソウ属)【薄毛珠蕗】 (Cacalia farfaraefolia) 薄暗い林下の沢沿いに生える地味な植物です。 同属の「カニコウモリ」や「モミジガサ」などと同様の花で見分けがつきませんが最大の違いは、茎の葉...

チチブシロカネソウ

チチブシロカネソウ (キンポウゲ科チチブシロカネソウ属)【秩父白銀草】 (Enemion raddeanum)  別名:オオシロカネソウ 「シロカネソウ」の名がつきますが、「アズマシロカネソウ」や「トウゴクサバノオ」などシロカネソウ属のよう...
野山の植物

ヒキオコシ

ヒキオコシ (シソ科ヤマハッカ属)【引起し】 (Isodon japonicus) 別名:エンメイソウ(延命草) 引起しという妙な名前は、その昔、弘法大師が腹痛に苦しんでいる旅人にこの葉を噛ませたところ、たちどころに回復したという故事に因む...
山岳の植物

シロバナイワアカバナ

シロバナイワアカバナ (アカバナ科アカバナ属)【白花岩赤花】 (Epilobium amurense subsp. cephalostigma f. leucanthum) 「イワアカバナ」の白花品種で、花の色だけの違いです。 単に白っぽい...
9月

ヒメスギラン

ヒメスギラン (シダ植物ヒカゲノカズラ科トウゲシバ属)(ヒカゲノカズラ植物門)【姫杉蘭】 (Huperzia miyoshiana) 深山の岩上に生育するヒカゲノカズラ植物。 「ヒカゲノカズラ」を直立させたような姿で、「トウゲシバ」にもよく...
9月

ヒダカミセバヤ

ヒダカミセバヤ (ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属)【日高見せばや】 (Hylotelephium cauticola) 北海道の日高・十勝地方の岩場に生える北海道固有種です。 小型で地を這うように伸び、高山植物のイメージがありますが山...
9月

ミクラシマトウヒレン

ミクラシマトウヒレン (キク科トウヒレン属)【御蔵島塔飛廉】 (Saussurea triptera var. mikurasimensis)(ミクラジマトウヒレン) 伊豆諸島・御蔵島の最高峰、御山の標高の高いところに分布し、照葉樹林の林縁...
高山植物

ミヤマトウキ

ミヤマトウキ (セリ科シシウド属)【深山当帰】 (Angelica acutiloba subsp. iwatensis) 漢方薬の原料として知られる「トウキ(当帰)」の高山型で、亜高山帯や高山帯の岩礫地に生える高山植物です。 紛らわしいも...
山岳の植物

シロバナツルリンドウ

シロバナツルリンドウ (リンドウ科ツルリンドウ属)【白花蔓竜胆】 (Tripterospermum japonicum var. japonicum f. albiflorum) 単に「ツルリンドウ」の白花で、色以外何も変わりはありませんが...
高山植物

ハクサンタイゲキ

ハクサンタイゲキ (トウダイグサ科トウダイグサ属) (Euphorbia togakusensis) 別名:ミヤマノウルシ 深山や高山帯に生育するトウダイグサで、中部地方から東北の山地の主に日本海側に分布します。 枝先の葉は輪生状になり、中...
高山植物

オヤマソバ

オヤマソバ (タデ科オンタデ属)【御山蕎麦】 (Aconogonon nakaii) ソバの名がついていますが、類似の「オンタデ」「ウラジロタデ」と並んでオンタデ属の高山のタデです。 北海道、東北の一部と北アルプスに分布します。 岩場や砂礫...