ベニシュスラン (ラン科シュスラン属)【紅繻子蘭】
(Goodyera biflora)
ランの中でも「シュスラン属」というと「ミヤマウズラ」などの仲間で、小さな花がずらっと並んでいるものが多いのですが、このベニシュスランは花序に基本2個の花をつけ、個々の花としては属内最大の大きさです。
「紅」といっても白色に近い薄紅色で、濃淡のグラデーションが入ります。
草体は小さく5-6cmほどで、地面近くに数枚つく葉には白っぽい網目模様が入ることが多いです。
花の形はランの中でも異質で、たいへん細長い筒状の花が横向きに咲き、大きく開くことはありません。
側花弁と背萼片が一体化して半筒状になり、そこにやや開いた側萼片が束ねられ、下唇弁は下後方に捲れあがっています。
花の付け根側かけて毛が多く、付け根には苞葉が垂直に立っています。
落葉広葉樹や照葉樹、杉林や混交林の薄暗い林床に生え、北海道南部から九州、主には関東以西に多く分布します。
担子菌類と菌根共生しているようです。
全国35都府県で絶滅危惧指定となっています。