イワショウブ (チシマゼキショウ科チシマゼキショウ属)【岩菖蒲】
(Triantha japonica) 別名:ムシトリゼキショウ
細長い花茎の先に白い花序をつけ、夏の終りの湿原を彩る可憐な花です。
亜高山の湿原や高山の雪田の縁などに多く見られますが、低山の湿地にも生えるようなので垂直分布が広いようです。
アヤメ類のような葉から「ショウブ」の名がありますがショウブともアヤメとも類縁はありません。
段々になる花序には一節に3個づつの花をつけ、6枚の花被片と6本の雄しべを広げます。
花が終りになると子房が赤っぽくなり、赤い果実になります。
花茎を粘液で粘らせて小虫から花を守るので「ムシトリゼキショウ」の異名をもちます。
本州の主に日本海側に分布します。
近縁の小型種に「ヒメイワショウブ」があり、こちらはより高山性です。