トガクシソウ

トガクシソウ (メギ科トガクシソウ属)【戸隠草】
Ranzania japonica) 別名:トガクシショウマ【戸隠升麻】

トガクシソウ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

1属1種の日本固有種で、本州の中部・北部に分布し、日本海側の多雪地帯や、戸隠、白馬、尾瀬等から東北地方に分布。

多雪地の山地の落葉広葉樹林の林床に生育しますが、自生地、個体数とも希少で絶滅が心配されます。

イカリソウ」や「サンカヨウ」など、変わり者の山野草を擁する「メギ科」のなかでも、異彩を放つ存在。

横に這う地下茎から茎を直立し、先端が二股に分かれた先に3出複葉の葉がつきます。

丸型の小葉は掌状に切れ込み、小葉の基部は深く湾入します。

二股の葉柄の間から、3-5個の花をつける花序が伸びます。

薄紫色の花弁と見えるのは内萼片で6枚あり、3枚ある外萼片は目立たず花期には欠落します。

本当の花弁は、内萼片の内側に6枚が連なって釣鐘型になっているもので、先端が2裂し黄色みを帯びています。

その内側には6個の雄しべと丸い雌しべがあります。

花の構造としてはキンポウゲ科の「レンゲショウマ」に似ています。

雄しべは昆虫などが触れると内側に曲がるようで、同じメギ科の「ヒイラギナンテン」と同様です。

環境省カテゴリ:準絶滅危惧 (NT)

青森県:絶滅危惧Ⅱ類
岩手県:絶滅危惧Ⅰ類
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN)
秋田県:絶滅危惧種ⅠB類 (EN)
山形県:絶滅危惧種Ⅱ類 (VU)
福島県:絶滅危惧種ⅠA類 (CR)
群馬県:絶滅危惧ⅠA類 (CR)
新潟県:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
富山県:情報不足
長野県:絶滅危惧ⅠA類 (CR)

トガクシソウ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシソウ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシソウ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシソウ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシソウ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシショウマ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシショウマ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシショウマ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシショウマ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシショウマ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシショウマ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシショウマ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシソウ

2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシソウ 白花

白花  2024/04/25 会津シラネアオイ園

トガクシソウ 白花

白花  2024/04/25 会津シラネアオイ園


【破門草】

長野県戸隠山で最初に採集されたので、トガクシソウ(戸隠草)の名があり、初めて日本人によって学名がつけられた植物ですが、その命名には一悶着ありました。
それが有名な「破門草事件」です。

牧野富太郎も出入りしていた、東京大学植物学教室の矢田部教授が、自分の名を冠した「トガクシソウ属(学名:Yatabea)」を発表することを知った在野の植物学者、伊藤篤太郎は、最初の発見者である叔父の名誉を守るべく「トガクシソウ属(学名:Ranzania)」として先に発表してしまいます。
それにより矢田部教授は日本人初の学名命名者になれず、怒って自分の教室に出入りしていた伊藤篤太郎を出入り禁止とします。
つまり、「破門」のきっかけとなったので「破門草」。

ちなみに学名「Ranzania」は、江戸時代の本草学者 小野蘭山に捧げた名前です。
学名の手柄争いではありますが、自分や叔父の名前をつけなかった点は伊藤のほうが謙虚ですね。



【Youtube 山川草木図譜チャンネル】

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