植物図譜

野山の植物

ムラサキ

ムラサキ (ムラサキ科ムラサキ属)【紫】(Lithospermum erythrorhizon)色名の「紫」の語源となった由緒ある植物です。古代よりこの根から紫色の染料を採った貴重な植物であったわけです。しかし、紫色の原料となったから「ムラ...

イワタイゲキ

イワタイゲキ (トウダイグサ科トウダイグサ属)【岩大戟】(Euphorbia jolkinii)「大戟」の名を同じくする「オゼタイゲキ」や「ノウルシ」の仲間ですが、こちらは関東以西の海岸に生える種類です。海岸性らしく葉が厚手な感じです。トウ...

サラサウツギ

サラサウツギ (アジサイ科ウツギ属)【更紗空木】(Deutzia crenata f. plena)「ウツギ」の八重咲きで花に紅色が入った品種です。花弁の外側が薄紅色になっているので「サラサ」と称し、純白のウツギより重量感があります。ただで...

シキミ

シキミ (マツブサ科シキミ属)【樒】(学名:Illicium anisatum)仏事に供えられる伝統があるのでお寺や墓地に植えられていることが多いですが、東北南部以西の全国に自生します。神道行事でも、近畿地方などでは榊の代わりに使われるよう...
野山の植物

シャリンバイ

シャリンバイ (バラ科シャリンバイ属)【車輪梅】(Rhaphiolepis indica var. umbellata)海岸性の植物ということで塩害や乾燥、大気汚染に強いということで公園や道路の植栽によく使われます。放射状につく葉序を「車輪...
野山の植物

コメツブツメクサ

コメツブツメクサ (マメ科シャジクソウ属)【米粒詰草】(Trifolium dubium)ヨーロッパから西アジア原産の明治時代に渡来した帰化植物です。「シロツメクサ」よりも、葉も花も小さく、花数が少ないので球形になりません。葉の感じがやや萩...
野山の植物

コミヤマスミレ

コミヤマスミレ(スミレ科スミレ属)【小深山菫】(Viola maximowicziana)日本のスミレ類の中で最も暗い日陰に咲くといわれています。花期も低山のスミレの中では最も遅い時期に咲き、「スミレ」の明るい春の日向のイメージと遠く、人目...
野山の植物

ツルカノコソウ

ツルカノコソウ (APG:スイカズラ科カノコソウ属)(オミナエシ科)【蔓鹿の子草】(Valeriana flaccidissima)とても小さな白い花をつけ、小さいながらも暗い沢筋では意外と目立つ花序の花です。旧オミナエシ科ということで女郎...

カヤラン

カヤラン (ラン科カヤラン属)【榧蘭】(Thrixspermum japonicum)大木の樹皮に着生する小型の着生蘭です。一本の茎が下向きに伸び、厚い葉が並行してつきます。この形状が榧の木の葉のようなのでカヤランとなったようです。薄黄色の...
野山の植物

ノハラムラサキ

ノハラムラサキ (ムラサキ科ワスレナグサ属)【野原紫】(Myosotis arvensis)ヨーロッパ原産の帰化植物で、園芸種をはじめ似たものがいろいろあり、交雑種もあるので区別が難しいようです。どれもいわゆる勿忘草の仲間で、「ノハラワスレ...

シロバナミツバツツジ

シロバナミツバツツジ (ツツジ科ツツジ属)【白花三葉躑躅】(Rhododendron dilatatum var. dilatatum f. leucanthum)その名の通り、「ミツバツツジ」の白花品種です。まだ樹の葉が無い時期に真っ白い...
6月

カニコウモリ

カニコウモリ (キク科コウモリソウ属)【蟹蝙蝠】(Parasenecio adenostyloides)「コウモリソウ」の仲間で蟹のような葉だからカニコウモリ。名前もインパクトありますが、確かにインパクトのある葉の造形です。山地や亜高山帯の...
野山の植物

オカスミレ

オカスミレ (スミレ科スミレ属)【丘菫】(Viola phalacrocarpa f. glaberrima)「アカネスミレ」とほぼ全く同じものですが、植物体が無毛のものを「オカスミレ」として品種分けしています。特にアカネでは葉だけでなく花...

アカヤシオ

アカヤシオ (ツツジ科ツツジ属)【赤八汐】(Rhododendron pentaphyllum var. nikoense)一般に「ヤシオツツジ」と呼ぶ場合、この「アカヤシオ」のことが多いですが、「シロヤシオ」、「ムラサキヤシオ」と総称して...

トウゴクミツバツツジ

トウゴクミツバツツジ (ツツジ科ツツジ属)【東国三葉躑躅】(Rhododendron wadanum)ミツバツツジの仲間は各地に意外といろいろあるようですが、関東の高めの山地代表がこの東国ミツバツツジです。北関東以北では、「トウゴクミツバツ...
9月

サワグルミ

サワグルミ (クルミ科サワグルミ属)【沢胡桃】(Pterocarya rhoifolia)全国のわりあい深山の沢沿いの湿った場所に生え、30m以上の大木になります。真っ直ぐ直線的に伸びスマートで成長も早いので、たいへん高くなるわりにはあまり...
3月

ヨゴレネコノメ

ヨゴレネコノメ (ユキノシタ科ネコノメソウ属)【汚れ猫の目】(Chrysosplenium macrostemon var. atrandrum)残念な名前の植物はいろいろありますが、山野草好きの人の中でかなり有名なのがコレ。残念な、と言い...
野山の植物

ヤマブキ

ヤマブキ (バラ科ヤマブキ属)【山吹】(Kerria japonica)子供のころ、近所の住宅街の庭や生け垣沿いにヤマブキが植えられた家が多かったせいか、長らく山吹は園芸品種の植木だと思っていました。もちろん、栽培も多くされますが、日本全国...
野山の植物

トキワイカリソウ

トキワイカリソウ (メギ科イカリソウ属)【常盤碇草】(Epimedium sempervirens var. sempervirens)普通の「イカリソウ」が基本薄紅色の花の落葉性多年草なのに対し、基本白花の常緑多年草です。花の咲く上の方は...
野山の植物

ウワバミソウ

ウワバミソウ (イラクサ科ウワバミソウ属)【蟒蛇草】(Elatostema involucratum) 別名:ミズナ、アカミズ昔から「ミズ」と呼ばれ山菜として親しまれています。山地の沢沿いの日陰に生育し目立たない草ながら、葉が特徴的です。6...
野山の植物

ハクウンボク

ハクウンボク (エゴノキ科エゴノキ属)【白雲木】(学名:Styrax obassia)エゴノキ属ということで「エゴノキ」の花に似ていますが、もっと大きく密に咲き、「ウツギ」の印象にも似ています。特徴的な大きな丸い葉は20cmほどにもなります...
野山の植物

ワチガイソウ

ワチガイソウ (ナデシコ科ワチガイソウ属)【輪違草】(Pseudostellaria heterantha)山地の落葉樹林の沢沿いや林床にぽつぽつと咲く小さな白花。花も葉も薄く弱々しい印象ですが、整った形の5弁花です。白い花弁には薄く縦縞が...

コガネネコノメソウ

コガネネコノメソウ (ユキノシタ科ネコノメソウ属)【黄金猫の目草】(Chrysosplenium pilosum var. sphaerospermum)いろいろあるネコノメソウの中でも、「ハナネコノメ」と並んで綺麗な種類です。小さな鮮やか...

シロバナエゾスミレ

シロバナエゾスミレ (スミレ科スミレ属)【白花蝦夷菫】(Viola eizanensis f. candida)「エイザンスミレ」の白花品種を(f. candida)として特にこのように称するようです。本来は花全てが純白の場合を指すべきなの...

ハハコグサ

ハハコグサ (キク科ハハコグサ属)【母子草】(学名:Gnaphalium affine) 別名:ゴギョウ(御形)春の七草「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」の「ゴギョウ」が、この母子草で、葉を雑炊や餅に入れて食...

シコクスミレ

シコクスミレ (スミレ科スミレ属)【四国菫】(Viola shikokiana)四国で発見されたので「シコクスミレ」と、いささかつまらない名前を貰ったスミレですが、埼玉県以西の分布ということで、関東ではレアな種類。ブナなどの山地広葉樹林に多...

ルイヨウボタン

ルイヨウボタン (メギ科ルイヨウボタン属)【類葉牡丹】(Caulophyllum robustum)変わり種の多い「メギ科」に属し、しかも「ルイヨウボタン属」は世界に数種しかないというマイナー植物。葉の形が牡丹に似ているということで、「類葉...

シロバナアメリカスミレサイシン

シロバナアメリカスミレサイシン(スノープリンセス)(スミレ科スミレ属)(Viola sororia 'Snow Princess')「アメリカスミレサイシン」の白花園芸品種。紫がかったり、紫条が入ったりせず、純白の花です。他の色と同様、じわ...
野山の植物

ニワトコ

ニワトコ (レンプクソウ科ニワトコ属)【庭常、接骨木】(Sambucus racemosa subsp. sieboldiana)旧スイカズラ科の落葉低木で、春に黄白色の細かい花を沢山つけ、個々の花をよく見ると赤紫の柱頭のまわりに5本の蕊が...

キケマン

キケマン (ケシ科キケマン属)【黄華鬘】(Corydalis heterocarpa var. japonica)「ミヤマキケマン」とよく似ていますが、分布が関東以西で西日本中心となり、葉がミヤマキケマンほどには切れ込まず幅広い感じです。ま...
9月

トチノキ

トチノキ (ムクロジ科トチノキ属)【栃の木】(Aesculus turbinata)山地の沢沿いや湿気の多いところに生育して大木になる樹木です。「ホオノキ」に似た掌状の大きな葉をつけますが、全縁のホオノキと違い丸っこい鋸歯があり葉脈がくっき...

クチナシグサ

クチナシグサ (APG:ハマウツボ科クチナシグサ属)(ゴマノハグサ科)【梔子草】(Monochasma sheareri) 別名: カガリビソウ旧ゴマノハグサ科だったところから、現在はハマウツボ科に移った半寄生植物です。自分で葉を伸ばしちゃ...
野山の植物

ヘビイチゴ

ヘビイチゴ (バラ科キジムシロ属)【蛇苺】(Potentilla hebiichigo)この手の草いちごの総称としても「蛇苺」と呼ばれますが、蛇の出そうな草薮に生る苺という意味でしょう。その名のせいもあり、子供の頃には「毒いちご」とも呼ばれ...
野山の植物

ヤブヘビイチゴ

ヤブヘビイチゴ (バラ科キジムシロ属)【藪蛇苺】(Potentilla indica)見分けのつけにくい「ヘビイチゴ」の仲間ですが、ヘビイチゴよりも大きな花が咲き、草姿全体がごっつい感じです。花だけ見ると他のキジムシロ類とそっくりですが、エ...
野山の植物

サクラタチツボスミレ

サクラタチツボスミレ (スミレ科スミレ属)【桜立坪菫】(Viola grypoceras f. rosipetala)タチツボスミレは、何しろ個体数が多いので、その分個体変異の幅も広く、交雑種も多くいろいろなバリエーションがあります。花の色...
野山の植物

タネツケバナ

タネツケバナ (アブラナ科タネツケバナ属)【種漬花】(Cardamine scutata)タネツケバナの仲間はかなりいろいろありますが、これは元祖タネツケバナ。日本全国の田んぼや水辺に生える在来種。街では帰化植物の「ミチタネツケバナ」が圧倒...
野山の植物

タガラシ

タガラシ (キンポウゲ科キンポウゲ属)【田辛子】【田枯らし】(Ranunculus sceleratus)日本全土の水田や溝などに生える、いわゆる「水田雑草」です。「辛子」という名ですがアブラナ科の仲間ではなくキンポウゲ科です。一見「キツネ...
6月

ヤブニンジン

ヤブニンジン (セリ科ヤブニンジン属)【藪人参】(学名:Osmorhiza aristata)林内の明るい日陰に生え、セリ科らしい羽状複葉の葉をもつ草です。線香花火のようなまばらな白い小さな5弁花をつけますが、雌雄別花で、3つぐらいの雌性花...
野山の植物

トウゴクサバノオ

トウゴクサバノオ (キンポウゲ科シロカネソウ属)【東国鯖ノ尾】(Dichocarpum trachyspermum) 別名:オオヤマシロカネソウ沢沿いの林下の登山道わきにひっそりと咲く小さな草です。たいへん可愛い花ですが、純白ではなく薄いク...
野山の植物

カンスゲ

カンスゲ (カヤツリグサ科スゲ属)【寒菅】(Carex morrowii)日本特産のスゲで、冬でも常緑性のため「寒菅」と呼ばれます。沢の流水沿いの岩場に生え、早春に薄茶色の花穂をつけます。花茎先端の大きな穂は雄小穂で、その下の方の花茎には4...