オサバグサ (ケシ科オサバグサ属)【筬葉草】
( Pteridophyllum racemosum )
一属一種の日本固有種で、中部から東北にかけての亜高山の針葉樹林内に隔離分布する変わった植物です。
葉がどう見ても羊歯類としか思えないような櫛の歯状で、この形が機織り機の横糸を押し込む器具の「筬(おさ)」に似ているというのが名の由来だそうです。
一本だけ立ち上がって、まばらに白い花を吊るす花序は、薄暗い針葉樹林の林床に点々と浮き上がって見え、幽玄な雰囲気です。
純白の花は一見釣鐘状の合弁花に見えますが、実は2弁+2弁が重なり合った4弁の離弁花です。
ケシ科とされていますが、何にも似ていない特殊な植物に見え、「オサバグサ科」という独立の科とする説もあるようです。
分布地のほとんどの県でレッドデータ指定となっています。
オサバグサ - 深山の森に咲く孤高の花 –
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】