チシマタンポポ (キク科ヤナギタンポポ属)【千島蒲公英】
(Hieracium alpinum)
「千島」と名がありますが、極東アジアには存在せず、ヨーロッパアルプス原産の高山植物です。
これが園芸品種として輸入され、商品名として「チシマタンポポ」として広まったようです。
全く意味のない無関係な命名は迷惑なので止めてほしいものです。
これは、蓼科の「御泉水自然園」の高山植物を植えた一角に咲いていたもので、最初は高山性のタンポポかコウゾリナと思って調べていましたが、どうも違うようで、いろいろ調べてみると「チシマタンポポ」に行き当たりました。
花はすべて舌状花となっており、葉は全く無鋸歯のヘラ型、花の萼片まわりに黒い腺毛が多いのも特徴的です。
そして全体に毛深く、根生葉にはたいへん長い毛が生えていて、いかにも寒地か高山の植物という感じです。
園内のこの一角では、植栽というより自生という感じでロゼットがあちこちに広がっていました。
この環境下で本来高山植物ということでは、このまま帰化してスキー場などを通じて広がってしまいそうでちょっと不安です。
日本の在来種では「ミヤマコウゾリナ」「ヤナギタンポポ」が同属です。