セツブンソウ (キンポウゲ科セツブンソウ属)【節分草】
(Eranthis pinnatifida)
関東以西に分布し、落葉樹林の半日蔭などに生える小さな草で日本固有種です。
「節分」の名前の通り、まだ春浅い季節に白い花を一輪づつ咲かせます。
白い花びらは実際には萼片で、本来の花弁は小さく2裂して黄色い蜜腺をつけ、まるで雄しべに見えます。
中心には赤紫色の雌しべがあり、その周りの雄しべはうす紫の葯をつけ多数あります。
石灰岩質の礫地を好み、「スプリングエフェメラル」として咲いたあとは実をつけ、晩春から初夏にはもう休眠してしまいます。
環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)
ごく稀に花茎が黄緑色で雄しべの約が白く、雌しべも黄緑色の「シロバナセツブンソウ」と称されるものがあります。
突然変異的に赤紫の色素が抜けた品種と思われます。
因みに「キバナセツブンソウ」は、全くの別種でヨーロッパ原産の外来園芸種です。
埼玉県小鹿野町(旧両神村)のセツブンソウ園に行ってきました。
ここは、もともと自生している地域なのですが、廃業した桑畑を利用して増殖につとめ有料の花園に仕立てたようです。
今ではこのへんの観光名所として、村起こしに役立っています。
雑木林のかなりひろい範囲の林床が礫地となっていて、そのあちこちに、部分的にはかなり一面に咲いていました。
草丈が低く小さいのと、白っぽい石灰岩の砂利の中なので、ひとつひとつはあまり目立たないのですが、遠くの群生を逆光で見ると、まるで霜柱のようです。
開花はちょうど最盛期直前という感じでした。
平日の朝行ったのでまだそれほど混んでいませんでしたが、休日の日中は大混雑するでしょうね。
カメラおじさんやおばさんが何人も(自分も含めて)土下座するように道端に這いつくばっている光景はちょっと異様かも(^^;;
一本一葉一花で小さいので、森の小人か妖精が踊っているようにも見え\(^o^)/とても可愛いですね。
薄く儚い感じの花びらは実際には萼片で、黄色い雄しべのように見えるのが花弁です。
わざわざ、瓦礫の原に咲くというのは競合相手が少ないからでしょうか、コマクサの生え方にもちょっと似ています。
秩父郡小鹿野町にて撮影 2015/03
早春の花の少ない時期に咲く可憐な花なので、各地の公園や野草園で植栽されています。
キンポウゲ科の多くの花の例にもれず、白い花弁は実は萼片で、本来の花弁は退化して蜜腺となっています
セツブンソウ 【節分草】 – 早春を告げる妖精 –