オリヅルスミレ (スミレ科スミレ属)【折鶴菫】
(Viola stoloniflora)
沖縄本島のやんばるの渓流に生育していた、幻のスミレです。
「生育していた」と過去形なのは、今では野生絶滅種とされているため。
唯一といわれた生育地が、ダム建設により失われてしまったためです。
最初の発見自体が1982年と近年であり、しかもたった2株だけ、新種として発表されたのが1988年、ダムの竣工が1987年と、新種認定も生育地の保護も間に合わなかった悲劇のスミレともいえます。
ただし、種自体はダム完成前に保護されたものが、各地の植物園で系統保存栽培されています。
沖縄の植物とはいえ、涼しい渓流にだけ生育し暑さには弱いということで、温度管理された温室でないと栽培できないようです。
小さく鋸歯が目立つ厚手のハート型の葉はロゼット状につき、伸び上がった赤い花茎に白い花を咲かせます。
花弁は細長い特徴的な形で、唇弁と側弁に紫条が入り、唇弁の先端は凹みます。
地上にストロンを伸ばして増殖するのが大きな特徴とされます。
普段見る各種スミレのどれとも似ていない、不思議な姿のスミレです。
1994年に別の地域で再発見されましたが、これは少し異なる別種と思われるそうで「テリハオリヅルスミレ」とされています(学名は未確定)。
環境省カテゴリ:野生絶滅 (EW)
沖縄県:野生絶滅 (EW)









