トウサワトラノオ (サクラソウ科オカトラノオ属)【唐沢虎の尾】
(Lysimachia candida)
サクラソウ科の「トラノオ」の仲間は、最もメジャーな「オカトラノオ」をはじめ「ヌマトラノオ」「ノジトラノオ」などいろいろ有りますが最もマイナーなのが「サワトラノオ」と並んでこの「トウサワトラノオ」です。
何しろ日本国内では栃木県・愛知県の2か所にしか生育地が無く、栃木県の自生地では一旦は絶滅したと考えられていたところ、休耕田の整備を行う中で50年ぶりに再発見され現在保護されています。
また、愛知県の自生地は近年見つかったものの最近絶滅してしまったとされ、さらにそののちまた再発見されているということです。
水に漬かったような湿地に群生し、他のトラノオ類と同様に5裂した白い花を総状花序につけ、花は下から咲き上がります。
花序は「虎の尾」というような穂状にはならず、ドーム型の丸っこいものとなります。
花序は茎の先端につきますが、茎葉の付け根からも出てくることがあります。
花弁はほぼ純白ですが雄しべの葯がオレンジっぽく、萼片の先端や茎が赤っぽいので、花の咲いている風景全体が黄色っぽく見えます。
国外では、台湾、中国大陸に分布するとのことです。
この栃木県の自生地は何の変哲もない田園風景の中、一枚分の休耕田に大群生していました。
ちょうど保護管理している見回りの方(行政の方?)がいらしたのでいろいろお話を伺いましたが、不思議なことに隣接する田んぼや川岸には未だに一切生えてこないそうです。
環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類(EN)
栃木県:絶滅危惧Ⅱ類(Bランク)
愛知県:絶滅危惧ⅠB類(EN)
茎葉は下の方までついていない感じで、葉は細長く厚めで硬い感じ。