タシロラン

タシロラン (ラン科トラキチラン属)【田代蘭】
Epipogium roseum) 別名:タカトリラン

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

照葉樹林の薄暗い林床に咲く腐生(菌従属栄養)植物です。

日光がささず、他の植物があまり生えない落ち葉の厚く積もった中に、にょきにょきと生えてきます。

同様に腐生植物である「シャクジョウソウ」に似ていますが、立派な蘭の仲間です。

腐植質の中の菌類に完全に栄養を従属しているので葉緑素をもたず、薄ベージュ白色をしています。

花は小さくごちゃごちゃして形が判りにくいですが、よく開いたものを見るとしっかりランの形をしていて、唇弁に赤紫の斑紋があります。

個々の花の開花時期は3-4日しかないようで、極めて微細な種子をどんどん作って散布します。

花期が終わり、果実をつくると次第に褐色になっていきます。

そして植物体自体も地上に生えているのは2週間程度で消えてしまいます。

南方系のもので、関東以西の低地の常緑広葉樹林下に分布します。

東京都レッドデータ:絶滅危惧I類ですが、温暖化のせいか、関東などでも増えているところでは盛んに増えているようです。

環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)

日本のトラキチラン属のランは、「トラキチラン(寅吉蘭)」、{アオキラン(青木蘭)」、「タシロラン(田代蘭)」の3種がありますが、どれも発見者の名がつけられています。

依存している菌が木材腐朽菌なので、あまり手入れされていない落ち葉や小枝の多い林下に発生しやすいようです。

明治神宮に多いのも、あそこの森は基本的に自然遷移にまかせて林床の手入れなどはしないためでしょう。

そのあたりは、同じ野生蘭とはいえ「キンラン」などが出る雑木林と全く環境が違うところです。

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

左の個体は果実期になり褐色になってきている  2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/07/08 狭山丘陵

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2020/06/25 明治神宮

タシロラン

2021/07/09 狭山丘陵

タシロラン

2021/07/09 狭山丘陵

タシロラン

2021/07/09 狭山丘陵

タシロラン

2025/06/27 東久留米市

タシロラン

2025/06/27 東久留米市

タシロラン

2025/06/27 東久留米市



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