ノジトラノオ (サクラソウ科オカトラノオ属)【野路虎の尾】
(Lysimachia barystachys)
「オカトラノオ」に似ていますが、もう少し湿気の多い河岸や湿地などに生育する希少種です。
オカトラノオよりも葉が細長く、葉柄の付け根が赤くならず、茎や葉に開出毛が多く生えていて、長く垂れ下がる花序の先端には線状の苞葉が目立ちます。
また、花序の花の付き方が密で、個々の花の花弁が細い感じです。
全体の感じは「オカトラノオ」や「ヌマトラノオ」とは違うので見分けにくいこともないのですが、これらのトラノオ類(オカトラノオ属)が自然交雑種を作りやすいことが問題となります。
オカトラノオとヌマトラノオの自然交雑種である「イヌヌマトラノオ」というのが各地にたいへん増えていて、これが両者の特徴を兼ね備えていてノジトラノオにも似ているため紛らわしいようです。
さらに、このノジトラノオとヌマトラノオとの雑種である「ノジヌマトラノオ」というのがあるらしく、両者が存在する地域では純粋なノジトラノオは実はたいへん少ないという話もあります。
ここの生育地でのノジトラノオは、昔から自生していて僅かに残っているものを保護し、開発から逃して移植したりして管理しているので逆に自然交雑は少ないと思いますがどうなのでしょうか。
関東以西から九州北部にかけ分布。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
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