キンラン (ラン科キンラン属)【金蘭】
(Cephalanthera falcata)
ランの仲間は、どれも極めて微小で単純な構造の種子を、膨大な数量で作ります。
キンランも同じで、長さ1mm程度の細長い軽い種子で、見た目には粉末かホコリのようなものです。
拡大して見ると中心部に「胚」があり、その両翼に薄い膜状の種皮が胚を包んでいるだけです。
この胚は未分化な細胞で、根や葉の原型すらもっていません。
また、一般の植物の種子がもっている「胚乳」ももちません。
「胚乳」は、植物が自力で発芽して、葉を出し光合成を始められるまでのエネルギーを蓄えた「お弁当」で、これが無いと言うことは種子が発芽することができないということです。
キンランは、土中の共生菌から栄養の支援を受けることで初めて発芽・成長することができます。
キンランは、成長しても一生、雑木林の樹木と共生する菌根菌とのネットワークに依存するのですが、一番最初の発芽さえも依存しているのです。
種子が菌根菌と出会える確率は低く、そのためキンランは一つの果実から1万~3万個もの微細な種子をばら撒く戦術に出ました。
粉のように微細で軽い種子は、風で飛ばされ広範囲に撒かれます。
無事発芽できるかは運任せです。
冬のキンラン 細かい種子が飛び出る様子





