キイジョウロウホトトギス (ユリ科ホトトギス属)【紀伊上臈杜鵑草】
(Tricyrtis macranthopsis)
ホトトギス属の中の一群のグループ、ジョウロウホトギス節のものは、深山渓谷の岩場に垂れ下がるように生え、ホタルブクロのような釣鐘型の黄色い花を下向きにつけます。
「(トサ)ジョウロウホトトギス」と、「キイジョウロウホトトギス」「サガミジョウロウホトトギス」「スルガジョウロウホトトギス」があり、その名のように(土佐、紀伊、相模、駿河)、それぞれ地域固有変種となっています。
その中で、紀伊ジョウロウホトトギスは、紀伊半島の和歌山県・奈良県の山中だけに自生する希少種で絶滅危惧II類となっています。
しかし、自生はたいへん限定された希少種ながら、現地で産業的な栽培に成功して園芸品として生産されているためわりあい多く見られ、栽培も容易なため植栽品はほとんどの場合、この「紀伊」のようです。
環境省カテゴリ: 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
小石川植物園で植栽されたものが間近で観察することができた
花弁の内側には赤茶色の斑点、3裂した花柱は先端が2裂し、透明の球状体が多数
初夏に貰ってきた園芸用の株を鉢植えしていたが、小さな株ながら10月にはしっかり咲きました。
箱根の湿生花園にも植栽されており、園のFBで開花情報も出ていたので、ぎりぎり開花期に間にあうかも、と思って行きましたが、残念ながら花は全て終わっていました。
花後の実は、普通のホトトギス同様、三角錐的な上向きのものですが、ちょっとぼってりした感じです。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】