ジョウロウホトトギス (ユリ科ホトトギス属)【上臈杜鵑草】
(Tricyrtis macrantha) トサジョウロウホトトギス
ホトトギス属の中でも、普通のホトトギス類と別グループのジョウロウホトトギス節はみな日本固有種で、黄色の釣り鐘型の花を下向きにつけ、深山の渓谷の岩場に垂れ下がるように生えます。
「(トサ)ジョウロウホトトギス」と、「キイジョウロウホトトギス」「サガミジョウロウホトトギス」「スルガジョウロウホトトギス」があり、その名のように(土佐、紀伊、相模、駿河)、それぞれ地域固有変種となっています。
どれも、きわめて限られた生息域と生息環境で全て絶滅危惧種となっています。
その中で、紀伊ジョウロウホトトギスは、現地で産業的な栽培に成功して園芸品としてわりあい多く見られますが、その他はあまり見られる機会はありません。
(トサ)ジョウロウホトトギスは高知県の一部地域に生え、紀伊よりも幅広の葉で、花の内部の斑点が花の縁いっぱいにまで広がっていることが特徴です。
ちょうど終わり近くの花の一部が欠けていて内部の斑点が見えていました。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
高知県:絶滅危惧ⅠB類 (EN)
都立薬草園に「ジョウロウホトトギス」の植栽があるのが分かったので、見に行ったのですが、残念ながら蕾と終わった花としか見られませんでした。
この植栽品は、手の届くところにないので望遠の写真でしか判断できないのですが、「キイジョウロウホトトギス」との見分けがつきません。
花の内部が近くで見られれば確実なのですが。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】