シマカコソウ (シソ科キランソウ属)【島夏枯草】
(Ajuga boninsimae)
小笠原諸島の固有種で、父島、母島、妹島に分布し、日当たりのよい湿った岩場に生育します。
「カコソウ(夏枯草)」というと、通常「ウツボグサ」のことで、たしかに見た目は「シロバナウツボグサ」に似ていますが、これはアジュガ属なので分類的には「キランソウ」や「ジュウニヒトエ」などに近い仲間。
冬に咲いて夏場に一時枯れて、秋からまた芽吹くようです。
丸みを帯びた葉にはゆるい鋸歯があり、走出枝で株が増えるようです。
白色の花は筒状の唇形花で細かい毛が密生します。
野生の生育地は極めて限られていて、3島合わせて僅か数百株しか自生していないようです。
不安定な生育地の崩壊や、野ヤギによる食害、外来植物の影響などで減少が危惧され、国内希少野生動植物種に指定。
環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類 (EN)