ヘクソカズラ (アカネ科ヘクソカズラ属)【屁糞葛】
(Paederia foetida) 別名:ヤイトバナ、サオトメカズラ
日本3大残念標準和名に入る名前で有名な、全国に広く普通に分布するつる草です。
(日本3大残念標準和名=ヘクソカズラ、ハキダメギク、ママコノシリヌグイ)(筆者独断:諸説あります(笑))
茎や葉をつぶすと放つ悪臭はメチルメルカプタン成分のせいで、万葉集にも「屎葛(くそかずら)」の名で詠まれ、英語でも(Stink vine/臭い蔓)、中国語でも鶏屎藤など、昔から万人が認めるもののようです。
「ヤイトバナ」の別名もありますが、花の暗紅色がお灸(ヤイト)をすえた痕のようだということでやはり色気がありませんね。
さらに「サオトメカズラ」の別名もあり、下品な名前を嫌う花好きの女性などにはよく使われているようです。
生垣や樹木などどこにでも絡まって進出してきますが、個々の花は小さくて可愛いので意外と人気があるようです。
花の暗紅色の部分には細かい繊毛がびっしりと生え、花の口からは2本の雌蕊がひょろりと出てきます。
雄しべは繊毛の密生する内部にあり、自家受粉を避けているそうです。
密生した繊毛は蟻などの侵入を防ぐためだそうですが、繊毛を突破して入ってくるポリネーターは何なのでしょう?
調べてみると、どうやらハナバチの仲間のようです。
蟻などの小型昆虫よりも力が強く、遠くまで花粉を運んでくれる虫に合わせた繊毛の強度と障害力を設定しているのでしょう。