セイヨウタンポポ (キク科タンポポ属)【西洋蒲公英】
(Taraxacum officinale)
街中を中心にどこにでも見られる、言わずと知れたヨーロッパ原産の帰化植物で、環境省指定の要注意外来生物(重点対策外来種)でもあります。
日本の主な在来各種と違い、総苞外片が大きく反り返る点で見分けることができます。
また、総じて在来タンポポに較べて花が大型で花弁の数が多く密になっているようです。
現在全国各地に蔓延っている外来系タンポポの7-8割は純粋な「セイヨウタンポポ」ではなく、それ由来の様々な雑種だそうです。
元来、日本に入ってきたセイヨウタンポポは3倍体で、他家受粉せずに単為生殖を行いクローンを増やしてゆくやり方で急速に増殖してきたわけです。
しかも、乾燥や踏みつけなどにも強く、在来の自然環境が壊されている都市部や開発地などでこそ勢力を拡大する外来帰化種特有の特性で在来タンポポと置き換わってきました。
しかし、在来タンポポを直接的に駆逐してきたというわけではなく、都市化で在来種が衰退したニッチに進出したということのようです。
ただし、その中でもたまに2倍体が発生し在来の「カントウタンポポ」などとの間に雑種を生じさせる新たな問題が急拡大してきたようです。
総苞片の反り返りで在来種と判別する方法は正しいのですが、それは「セイヨウタンポポ」という種を表わすのではなく「外来系タンポポ」というくくりのものとなり、雑種が多いゆえにその程度はいろいろのようです。
また、最近では総苞片が反曲しない「ニセカントウタンポポ」と称される怪しい雑種らしきものも出現しています。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】