オオアラセイトウ (アブラナ科オオアラセイトウ属)【大紫羅欄花】
(Orychophragmus violaceus)
いわゆる「ダイコンの花」としても知られ、別名の「ショカツサイ」(諸葛菜)、「ムラサキハナナ」(紫花菜)の方がポピュラーに使われているようです。
しかし、最近何処にでも見られるこの花の名前は、調べてみると混乱を極めています。
諸葛菜というのは、諸葛孔明が遠征の際に行軍先で手軽に栽培できて食料となる野菜として広めた、ということですが、実際には蕪のはずです。
「アラセイトウ」は、園芸でポピュラーな「ガーデンストック」の和名でもあり、「紫羅欄花」というのはその漢名で、漢字に日本語としての意味は無いようです。
「アラセイトウ」という奇妙な発音の語源はポルトガル語だそうです。
葉が、ポルトガルの「ラシャに似た毛織物(raxeta)」の手ざわりに似ていることから、「葉ラセイタ」と呼び、これが転じてアラセイトウとなったと。
これも何だか怪しいものです。
面倒だから俗称の「ダイコンの花」でもいいじゃないか、というと、「ハナダイコン」というのは、同じアブラナ科ながら全くの別種だそうです。
江戸時代に入ってきた中国原産の帰化植物ですが、今では各地の春の風景となっていますね。