セイタカスズムシソウ (ラン科クモキリソウ属)【背高鈴虫草】
(Liparis makinoana)
(Liparis lilifolia var. japonica)
唇弁が鈴虫の羽のような形のランで、「スズムシソウ」によく似ていますが、草丈が高く花が小さめの変種で、花期が1月ほど遅く咲きます。
花序は下部から咲き上がり、咲くとともに花茎が伸びて10個から最大30個ほどの花をつけます。
わりあい明るい林縁、林下に生育し、楕円形の葉は「クモキリソウ」と同様に縁が細かく波打ちます。
花はスズムシソウと同様に帯紫色半透明の唇弁とそれを支える側萼片、虫の脚に見立てられる極細の側花弁、上に立ち上がった蕊柱とその後ろに控える細い背萼片から成り立ちます。
面白い希少な花だけに盗掘の対象になって減り、さらに鹿の食害にも会いやすいようです。
環境省レッドデータブックでは未記載ですが、殆どの生育地で絶滅危惧指定。
大阪、奈良、三重では絶滅(EX)となっています。