スズムシソウ (ラン科クモキリソウ属)【鈴虫草】
(Liparis suzumushi) 別名:スズムシラン
「クモキリソウ」の仲間ですが、紫褐色半透明の薄い唇弁をもつ独特の形がスズムシの名の由来となったユニークな小型の地生ランです。
2枚の葉が茎を包み込むように生え、葉縁がやや縮れた感じとなりクモキリソウに似ています。
スズムシの羽根の部分は下唇弁で、紫褐色の半透明で丸く先端がちょっと尖ります。
側花弁は淡暗紫色で縁が巻き込むかたちで糸状に細長く伸びます。
側萼片は淡緑色で細く、唇弁を下から支えるような形でついています。
背萼片は淡緑色で細長く、上後方に大きく突き上げています。
蕊柱は黄緑色で上方に立ち上がり先端の両側に三角の翼を備えています。
花序には花が10-15個ほどつき、花茎は紅紫色を帯びています。
姿が面白いので園芸栽培に人気があり、盗掘が多いようです。栽培増殖はおろか、株の維持さえほぼ不可能とされるのですが。
環境省レッドデータには記載は無いようですが全国的に生息地のほとんどで絶滅危惧種に指定されています。
東京都:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
類似のバリエーションに「セイタカスズムシソウ」「フガクスズムシソウ」などがあります。
因みに似た名前の「スズムシバナ」というのがありますが、これはキツネノマゴ科の全くの別物です。