ミセバヤ (ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属)【見せばや】
(Hylotelephium sieboldii)
独特の丸い葉と長く伸びる茎、いかにもベンケイソウ類の花序をもつ美しい花で、人に「見せたい」という古語の「見せばや」が名前になったそうです。
園芸用多肉植物の元祖のようなもので、日本古来の古典園芸植物で、現在も園芸用としてはたいへんポピュラーなのですが、野生植物としての由来がいまいちはっきりしません。
現在、国内唯一の自生地が小豆島の寒霞渓にあり、奈良県内に一箇所だけ「ヤマトミセバヤ」と呼ばれるものが自生します。
しかし、どちらも栽培品逸出という説もあるようで、そもそも何処に分布していた植物なのか、謎です。
園芸で植栽するには丈夫で何の問題もない植物だけに、元来どこに分布生育し、なぜ現在何処にも無いのか意味が判りません。
その他、変種や品種の違うものが各地にありますが、どれも同様に限られた場所にしか無いようです。
どうやら、いずれも北方系となります。
富山県産で絶滅危惧Ⅱ類の変種「エッチュウミセバヤ」をはじめ、「ツガルミセバヤ」、「ヒダカミセバヤ」、「アポイミセバヤ」、「カラフトミセバヤ」などです。
環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類(EN)