ホザキシモツケ (バラ科シモツケ属)【穂咲下野】
(Spiraea salicifolia)
小さなピンクの花が密集する「シモツケ」の花序が、円錐形の花穂となったかたちの背の低い落葉低木です。
もふもふの尻尾みたいな花です。
淡紅色の個々の花は5枚の花弁をもち、同じく淡紅色の雄蕊が長く突き出します。
根茎によって群生するので、見事なお花畑状態となります。
湿原の周辺の川沿いや草原に群生しますが、ミズゴケ湿原や高層湿原そのものには生えません。
北海道の低地の湿原には普通に多く見られますが、本州では生育地が限られます。
奥日光の戦場ヶ原から小田代ヶ原に大群生がありますが、あとは分布南限の長野県の霧ヶ峰周辺。
そして、岩手県早坂高原、長野県嬬恋村などに僅かに隔離分布しているようです。
ちなみに、「ホザキシモツケ」は「シモツケ」に近い仲間ですが、よく混同される「シモツケソウ」というのがあります。
こちらは樹木ではなく草で、花も似ていますが散らばった感じの花序となり、葉が単葉でなくモミジのように5裂しています。
「フタスジチョウ」の食樹となっています。
環境省レッドリストでは以前は絶滅危惧Ⅱ類に指定されていましたが,2007年には解除されています。
北海道の道東などに大量に生育するためでしょうか。
青森県:絶滅危惧Ⅰ類
岩手県:絶滅危惧Ⅰ類
福島県:情報不足(DD)
栃木県:要注目
群馬県:情報不足(DD)
長野県:絶滅危惧ⅠA類(CR)
Youtube動画 ホザキシモツケ - 風と遊び 群なす薄紅の花穂 –