ギフチョウ (アゲハチョウ科ギフチョウ属)【岐阜蝶】
(Luehdorfia japonica)
蝶の「スプリングエフェメラル」として、本州の里山に生息する日本固有種です。
里山や低山の落葉広葉樹林に生育し、春先に年に一度だけ出現します。
食草はカンアオイ類で、葉の裏に卵を生み、幼虫は夏に蛹となり翌春羽化するまで蛹のままです。
秋田県南部の鳥海山北麓から、山口県中部までにかけての日本海側に分布します。
同属に「ヒメギフチョウ」がいますが、これはより北方系で中部地方以北に分布し、朝鮮半島、中国、シベリアにも分布しています。
「ヒメギフチョウ」とはほぼ明確に生息域が分かれますが、長野や山梨、新潟、秋田などの一部で重複する地域があります。
また、神奈川県には局所的に隔離分布する地域があります。
ギフチョウとヒメギフチョウは、一見してそっくりで、野外で動いているときは見分けがつきにくいですが、前翅外縁と後翅外縁の模様が異なります。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
東京:絶滅 (EX)
神奈川:絶滅危惧ⅠB類 (EN)
その他生息地のほとんど全てで絶滅危惧指定。