カンアオイ (ウマノスズクサ科カンアオイ属)【寒葵】
(Asarum nipponicum) 別名:カントウカンアオイ
およそ地味な植物ながら、栽培マニアが多く、地域変異の亜種や品種も多いマニアックな植物です。
秋から冬に咲く花にしても、およそこれくらい地味な花もないでしょう。
地面に枯れた植物体が転がっているとしか思えません。
花粉の媒介者は、アリ、ヤスデ、ナメクジ説とかがあったようですが、今では「キノコバエ」によるものだろうとされています。
いずれにしても、いかにもマイナーな生態ではあります。
カンアオイ類はおそらく1000万年前に陸続きだった中国大陸からやってきて、その後孤立した日本列島内で各地域ごとの変異が進み、現在ではおよそ全国50種類ほどといわれています。
何故狭い範囲ごとに細かく変異するかというと、その分布拡大速度が極めて遅いせいで、研究によるとその速度はおよそ10000年ごとに僅か数kmということです。
多摩丘陵には「タマノカンアオイ」があります。
「ギフチョウ」の食草となります。
やたらに繁殖した株ですね。 カントウカンアオイの柄は、このように雲形模様と亀甲模様の2系統がありますが同種です。