チチブリンドウ

チチブリンドウ (リンドウ科シロウマリンドウ属)【秩父竜胆】
Gentianopsis contorta) 別名:ヒロハヒゲリンドウ

チチブリンドウ

2023/10/06 埼玉県

石灰岩地帯の岩礫地や草地などに稀に生え、5-15cmほどの弱々しい感じのする小さな草です。

普通の「リンドウ」や「フデリンドウ」等とは別系統の種類です。

細い茎に対生の丸い葉がつき、分岐した先端に一つづつ花をつけます。

花弁は白く、先端部が淡紫色で「リンドウ」と違って4裂します。

ところがこの花、リンドウらしく先端がねじれた形の蕾をつけますが、なかなか開くことがなく、開花状態を見ることがたいへん難しいのです。

最大限に開いた状態でも、花冠の先端部だけがおちょぼ口のように開くだけです。

トウヤクリンドウ」なども天気が良く、日が当たらないと開かないのですが、これはもっと頑固で、日が当たっていても開かないことが多いようです。

現場で観察しているときも、快晴の直射日光が暑いくらいに燦燦とさしている場所の個体でも開く気配がありませんでした。

花弁の先端が歪んで撚れたものや、蕾のまま先端から枯れかけた感じのものも多く見られます。

一度半開きになった蕾がまた閉じてまた緩むのを繰り返す場合も多いのではないかと考えます。

こんなに開かない状態の花に対して、ポリネータとの関係はどうなっているのでしょう?

閉鎖花的に自家受粉するのでしょうか?疑問が残ります。

特定の限られた菌根菌と共生しているそうなので、それによって極めて限られた分布地が決まっているのかもしれません。

また、面白いことにその菌根菌は「ホソバノツルリンドウ」と共通しており、両者が同所に生育していることが多いそうです。

この観察地でもすぐそばにホソバノツルリンドウが生えていました。

奥秩父の十文字峠付近で最初に発見され、分布は秩父山地周辺と南アルプス、伊吹山のごく限られた場所にしか見られないようです。

環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠB類(EN)
群馬県:絶滅危惧ⅠA類(CR)
埼玉県:絶滅危惧Ⅰ類(CE)
長野県:絶滅危惧ⅠA類(CR)
岐阜県:絶滅危惧Ⅰ類
滋賀県:絶滅危惧II類

チチブリンドウ

2023/10/06 埼玉県

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チチブリンドウ

石灰岩とチチブリンドウとホソバノツルリンドウ  2023/10/06 埼玉県


【Youtube 山川草木図譜チャンネル】

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