ヒメヒゴタイ (キク科トウヒレン属)【姫平江帯】
(Saussurea pulchella)
「姫」の名がついていますが、立派に高さ1m以上になる草原性のトウヒレンです。
最大の特徴は丸い総苞部分がピンク色のくす玉のようになっていること。
花が咲く前から、総苞部分にピンク色の花弁のようなひらひらが整然と並んでいてとても綺麗です。
これは総苞片が丸いピンク色というわけではなく、全ての尖った総苞片の先端に丸っこい淡紅紫色の付属体と呼ばれるひらひらがついているのです。
開花前の蕾の段階でまるでポンポン咲きの花のような、または遠目には「ワレモコウ」や「ヒメツルソバ」のような集合花に見えます。
しかし総苞なので、本当の花はその上に同じ紅紫色の先端が5裂した筒状花を咲かせます。
花序は散房状に多数つくので、花付きの良い株だととても華やかです。
根生葉は花期には無くなっているようですが、中段の茎葉は羽状に深裂していて、上の葉は細長く全縁です。
茎には紫褐色の縦の線があり、ストライプ状になっています。
北海道・本州・四国・九州の日当たりのよい山地草原に分布しますが生育地が限られ、個体数も少なく稀な植物のようです。
全国41都府県で絶滅危惧または絶滅とされています。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
山梨県:絶滅危惧種ⅠB類(EN)