コシノカンアオイ (ウマノスズクサ科カンアオイ属)【越の寒葵】
(Asarum megacalyx)
「越の」という名が付けられているように、新潟県から秋田南部にかけての日本海側、福島県西部、長野県北部に分布するカンアオイです。
多雪地帯に適応した種類とされ、葉の感じは「カントウカンアオイ」と大差ありませんが、より光沢が無い感じで模様もあまり無い感じです。
しかし何よりも花が大きいのに驚かされます。
花にはほとんど模様やくびれが無く、暗紫褐色でずん胴な感じです。
コシノカンアオイは、日本産カンアオイ属の中で唯一の4倍体ゲノムをもつ種類といわれています。
植物の4倍体は細胞や植物体が大型化する傾向があり、広く高緯度地帯での環境適応性が向上するとされています。
しかし、こんなに花を大きくしてしまったとすれば、ポリネーターには小さなキノコバエなどと違う何かが関与しているのでしょうか?
なお、コシノカンアオイは「ギフチョウ」の幼虫の食草となっています。
環境省カテゴリ:準絶滅危惧(NT)
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