ツクシタツナミソウ (シソ科タツナミソウ属)【筑紫立浪草】
(Scutellaria kiusiana)
「筑紫」の名の通り九州と中国地方西部、四国北部に分布するタツナミソウで、主に常緑樹林内に生育します。
葉の色が濃く、濃緑色の葉に脈が浮き出るように白い斑が入ることが多いようです。
茎は稜のある四角形で短毛が生え、葉の表面や縁にも毛が生えます。
唇形の花は直立しうす紫色で、下唇の中央部にまだら模様が散らばっています。
葉が斑入り模様になるものとして「シソバタツナミソウ」があり、「トウゴクシソバタツナミソウ」などと本種とで一部情報が錯綜している部分があるようです。
旧版の平凡社「日本の野生植物」において、シソバタツナミ、トウゴクシソバタツナミ、ツクシタツナミソウの分類に混乱があったためです。
シソバタツナミの類は、どうも分類が混乱ぎみで、いまひとつ釈然としないのですが、これは「ツクシタツナミ」のように見えます。
艶消しの葉に白斑入りで全体に小さく、四角い茎の陵に上向きの短毛が生えています。
葉の裏面は見事に赤紫色となっています。
花が終わってしまっているので花の比較はできませんが、このような葉をもつものは、中国地方以西に分布する「ツクシタツナミ」ぐらいのようです。
現在のところでも、まだ図鑑によって葉のつき方も毛の生え方も言っていることがまちまちのことが多いので、確証はもてません。
ツクシタツナミの分布域から全く外れた多摩丘陵の山中の一角で、何故ここにこれが有るのかも分かりません。
しかし、ここにこの植物が生えていることは事実なので、何だと言われれば「ツクシタツナミ」のようなものとしか言えません。
本当のところは、「私は誰?」