ヤビツギンラン (ラン科キンラン属)【矢櫃銀蘭】
(Cephalanthera erecta f. pelorica)
「ギンラン」には、稀に蘭の花の基本形である唇弁が花弁化して放射相称花となるものがあります。
「キンラン」における「ツクバキンラン」と同様、一種の先祖返りとされる「ペロリア化」したもので、一品種として扱われています。
丹沢のヤビツ峠付近で発見されたことから「ヤビツギンラン」と呼ばれ、生育環境や植物体全体は普通の「ギンラン」と同様です。
距が見えないことから「クゲヌマラン」と混同されていることも多いと思われ、実際最近各地で見つかっています。
花弁がほとんど開くことなく花期を終えることから、閉鎖花のように自家受粉しているともいわれています。