ヒカゲスミレ (スミレ科スミレ属)【日蔭菫】
(Viola yezoensis)
全国の林内など日陰や半日陰の湿気のある場所に生えます。
葉は裏表ともに緑色で、白ベースの花は紫条が入り、側弁基部に毛があります。
また、花期には葉の表面がやや茶色っぽくなる場合があります。
これの葉が濃い紫褐色になる品種を「タカオスミレ」と呼び、高尾山の名物のようになっていますが高尾山以外にもあります。
タカオスミレは狭山丘陵では限られた場所に群生しますが、狭山丘陵にはヒカゲスミレは無いといわれています。
この個体はタカオスミレの生育する中に混じって咲いていましたが、葉はやや褐色がかっているものの緑で花はタカオスミレ的です。
そもそも、タカオスミレはヒカゲスミレの赤紫色色素の多い品種と思われ、花期が終わると茶色い葉も次第に緑になるので、その差は連続的であり明確な一線を引けるものではないようです。
この個体もタカオスミレの赤紫色色素の少ないバージョンなのでしょう。
とはいえ、ヒカゲスミレと言えないこともないといったところでしょうか。