ヒゴタイ (キク科ヒゴタイ属)【平江帯、肥後躰】
(Echinops setifer)
高さ1メートル前後にもなる多年草で、夏から秋にかけて茎の先端に直径4-5cmの球形の頭状花序を形成します。
淡い青紫色の花が球形に密集して咲く姿は、非常に特徴的で瑠璃色のボールのようです。
小花は先端が五つに裂けた細長い筒状のもので、中心に蕊があります。
花後にできる果実は細長い長楕円形で、風で花球が崩れて散布されます。
葉はアザミの仲間に似た切れ込みの深いもので、縁にはトゲ状の鋸歯があります。
大陸系遺存植物の一つとされており、その分布域は海外では朝鮮半島(南部)や中国東部など。
国内では九州の九重山から阿蘇山にかけての草原、祖母・傾山地などが主な生育地で、中国地方、東海地方、四国地方にも隔離分布しています。
日当たりの良い山地の草原に自生しますが、生育適地の環境が減少しており人為採集圧もあって、いずれの生育地でも危機的な生育状況で、すでに絶滅した地域もあります。
「タカオヒゴタイ」や「ミヤマヒゴタイ」などの、トウヒレン属のヒゴタイとは全く別の仲間です。
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
岐阜県:絶滅危惧Ⅰ類
愛知県:絶滅 (EX)
鳥取県:絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN)
島根県:絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN)
岡山県:絶滅
広島県:絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN)
山口県:絶滅危惧ⅠA類 (CR)
福岡県:絶滅危惧ⅠA類 (CR)
長崎県:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)
熊本県:絶滅危惧ⅠB類 (EN)
大分県:絶滅危惧ⅠB類 (EN)
宮崎県:野生絶滅 (EW-r,g,d)
鹿児島県:地域絶滅










