カモメラン (ラン科カモメラン属)【鴨目蘭】【鴎蘭】
(Orchis cyclochila)
別名:カモメソウ、イチヨウチドリ
薄紫を帯びた白いベースに、赤紫の斑点がとても綺麗です。
そして、一株に2輪づつペアで咲き、まだら入りの大きな下唇弁と兜のような他の唇弁、細長く突き出た距が特徴です。
また、本葉は楕円形の一枚葉で、花の付け根に2枚の葉が特徴的。
この葉の形で「カモメ」なのではないかと思いました。
と、思ったら、どうも「鴎蘭」ではなくて「鴨目蘭」が本当のようです。
花のまだら模様が鴨の胸模様に似ている、と、「ホトトギス」の名前の由来と同じような説があります。
ランの中でも「チドリ」の仲間らしい花色や生息地ですが、「一葉二枚葉2輪花」というかたちでまとまっているのが可愛く面白いですね。
白花もありますが、特に「シロバナカモメラン」などと品種分けはされていないようです。
山梨県 絶滅危惧Ⅱ類
白花もあります。特に品種として分けられてはいないようです。
WEBで花の開花情報を各種追っていくうちに、次に動ける休みのとき、この季節何処に何を見に行くのが一番か?
いろいろな花が終盤となる中、次の休みにぎりぎりで「カモメラン」が見られるのではないか、ということが分かりました。
そこで、雨の中を承知で、御坂山地方面の某山に登ってきました。
今回はこれが、主なるお目当てでした。
山中の林道終点から、クサタチバナやウマノアシガタ、グンナイフウロなどが見られる雨の森を登ること1時間半。
事前に情報収集していたピンポイントの一角に、ありました!
もうシーズン終盤ですが、なんとかまだ色の綺麗な咲き姿が見られました。
雨に濡れながら、かなり小さな花を、濡れた地面に這いつくばるように見るのはけっこう苦しく、そのへんのあちこちに咲く花を踏み潰さないように気を使いながら、暗い雨の森で写真を撮るのはなかなかたいへんです。
それでも、まず滅多に見られない蘭なので、さんざん観察してきました。