ナベナ (スイカズラ科ナベナ属)【鍋菜】
(Dipsacus japonicus)
以前はマツムシソウ科とされていたように「マツムシソウ」の仲間です。
確かに花の構造自体は似た感じではあります。
マツムシソウでは外側の裂片が大きく装飾的になっていますが、ナベナでは同じ形の小花が集まった球状となります。
淡紅紫色の筒状花が多数集まって頭花を成し、小花の間から刺状の花床鱗片が突き出しています。
この花床鱗片は訪花昆虫たちの足場になるようです。
筒状花の先端は4裂し、4本の雄しべが突き出し黒紫色の葯が目立ちます。
総苞片は1列で細長く後ろに反り返ります。
対生の葉は羽状に全裂し葉柄に翼があります。
全体に刺のような剛毛があり、大型に成長すると高さ1-2mにもなるようです。
大きさのわりに花は小さいので、遠目にはアンバランスに塔の立ったアザミのようにも見えます。
本州・四国・九州に分布し、山地の谷沿いや草原に生育しますが、あまり見られない植物です。
東京都、千葉県では絶滅種とされています。