ヒガンバナ (APG:ヒガンバナ科ヒガンバナ属)(ユリ科)【彼岸花】【曼珠沙華】
(学名 : Lycoris radiata)
埼玉県の西武線名物、日高市高麗の「巾着田」。
ここは、おそらく日本一の彼岸花が咲く「曼珠沙華公園」となっていて、その数500万本。
この年は、例年よりも早く最盛期を迎えたようで、すでに盛りは過ぎたようです。
雨の降りそうな夕方のため、色があまり鮮やかに見えませんが、逆に眼にきつすぎずかえって良かったかもしれません。
古来、中国から伝来して広まったそうで、ほぼ全国の人里周辺に何処にでもありますが、全草有毒なので注意が必要。
ヒガンバナは、いわゆる「3倍体」の遺伝子で、基本的に種を作らないので球根のみで増えます。
伝来したときからそうなので、日本中のヒガンバナは全て同一遺伝子のクローンであると言われています。
とても独特な生活サイクルをもち、夏の終わりに花茎が地上に出てきて、いきなり花が咲きます。
そして花の終わった後の晩秋のころ、一斉に細い葉が茂り始め、冬の間茂ったあと春には枯れてしまい、何も無くなります。
他の植物との競合を避ける生存戦略なのかもしれません。
シロバナヒガンバナもたまに混じってあります
2020年は異常に梅雨時期に雨が多く日照が無かったせいなのか、長梅雨も明けていない7月に咲いていました。
9月下旬には赤一色だったヒガンバナの繁殖地は、11月には緑一色。
雑木林の下草として埋め尽くされているのは、全部ヒガンバナの葉です。
よく茂ったものですが、これが全部冬を越して、春には枯れてしまうわけですね。
変な花ですねえ。
葉は平行線の先が突然丸くなる独特の形