カラマツ (マツ科カラマツ属)【落葉松、唐松】
(Larix kaempferi)
信州の高原や山岳の風景を彩る日本固有種で、天然の分布の中心は中部山岳周辺で、富士山、奥日光や蔵王の一部などに隔離分布しています。
北海道には分布ぜず、北海道の至る所で見られるものは全て明治時代以降に植林されたものです。
長野県などでも大規模造林が行われてきたので、自然林と区別のつかない場所もあるようです。
落葉する針葉樹には「メタセコイア」や「ラクウショウ」などもありますが、日本原産の落葉針葉樹としてはカラマツが唯一のものです。
カラマツの林は真っ直ぐに伸びるスリムな樹形と枝葉がわりあい疎らなため明るい林になります。
また、林内の下草があまり茂らないのは落ち葉の分解が遅く酸性土壌になりやすいのと、何らかのアレロパシー効果があると見られているようです。
針状で短めの葉は短枝に多数が束生しますが、枝から直接葉を生じる場合もあります。
富士山では「ハイマツ」が分布しないので、森林限界の風衝地ではハイマツの代わりに低木化して地を這うような樹形で生えています。
雌雄同株で「松ぼっくり」ができます。