ガビチョウ (スズメ目チメドリ科)【画眉鳥】
(Garrulax canorus)
中国南部から東南アジアにかけて広く分布する鳥で、中国ではポピュラーな飼い鳥として籠に飼って鳴き声を競わせるようです。
ペット用の輸入から野生化して1990年代から生息が拡大し、今では関東地方の里山や低山ではどこでも声が聴かれるようになっています。
姿は茶褐色の地味な鳥ですが、眼の周りと後ろに眉毛を描いたような特徴的な白い模様があるので「画眉鳥」といわれるそうです。
他の鳥の鳴き声を真似るのが得意で声量も大きく、いろいろな鳥の鳴き方が入り混じった複雑な鳴き声で延々と長く鳴きます。
ウグイスやホトトギス、シジュウカラ、コジュケイ、オオルリ、サンコウチョウなどのフレーズを取り入れ、時にはセミの声や駅や学校のチャイムなどの人工音も真似ることがあるようです。
遠くから聞こえる分には綺麗な鳥の声とも思い面白くもありますが、近くで鳴くと他の鳥の声をマスキングしてしまい、かなり騒々しいというか喧しい場合があります。
地上で餌を漁り、繁殖力も強いので、競合する「ツグミ」などの生活を脅かす可能性があるといわれます。
本家の鳥の囀りを真似てもっと大きな通る声でアピールする、このことに生態学的などんな意味があるのでしょうか?
現在では、外来生物法で特定外来生物に指定され、ペットとして飼育することが禁じられていて、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも入っています。
以前に、八国山の二つ池で水浴びをする鳥を遠くから写真に撮ったことがあったが、小さくしか写っていないので何の鳥か判らないだろうと、放ってあった。
ふと思いついてこの写真を拡大して見てみると、まさしくこれが「ガビチョウ」だった。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】