フジシダ (シダ植物コバノイシカグマ科オオフジシダ属)【富士羊歯】
(Monachosorum maximowiczii)
関東以西に分布し、山地の沢沿いなどの岩場に生える常緑性のシダ。
艶のある濃い緑は早春や晩秋の山中に綺麗に映え、長く揃った羽片が綺麗な羊歯です。
小羽片の両側に目立つ鈍頭鋸歯があるのが特徴的で、鋸歯ごとに小さな丸いソーラスをつけます。
「タマシダ」のような細長い単羽状の葉の先端に無性芽をつけ、そこから根を下ろして増えるので、ブリッジ状に繋がった群生となります。
やや稀な種類らしく、関東、中国、九州などの各地で絶滅危惧種となっています。
和名の「富士」は、富士山ではなく犬山市の「尾張富士」に由来するとのことです。