モエジマシダ

モエジマシダ (シダ植物イノモトソウ科イノモトソウ属)【燃島羊歯】
Pteris vittata

モエジマシダ

2021/11/11 豊島区

都心の日向の明るい石垣でたまたま見かけた見慣れないシダ。

見たことのないシンプルな単羽状複葉で、羽片が先にいくほど長い不思議な配列、頂羽片が単葉でやたらに長く伸びています。

細長い羽片の配列や整った姿が「イノモトソウ」や「オオバイノモトソウ」と明らかに違います。

裏返してみると、熟していないものの胞子嚢らしきものが葉の縁に長くあり、イノモトソウの仲間ではあるようです。

普通見るシダとしてはかなり異彩を放つものながら、図鑑で調べてもなかなか見つからずネットで画像検索などしてやっと判りました。

やはりイノモトソウ科の南方系の常緑羊歯で、日本では四国南部、九州南部から琉球に分布し、世界の亜熱帯に広く分布します。

この生育場所はシダ好きの方々の話題になっているようで、いくつものブログに投稿されていました。

繁殖力の旺盛な雑草的なシダということで、園芸逸出または植栽などについてきた国内帰化のようです。

温暖化の影響もあるらしく、近年繁殖地が北上している傾向があるようです。

ヒ素を吸収する能力がたいへん高いということで、汚染土壌の浄化に役立てる研究がされているようです。

本来の生育分布の北限と思われる県ではレッドデータに記載されています。

徳島県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
香川県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
熊本県:絶滅危惧ⅠA類(CR)
宮崎県:絶滅危惧ⅠB類(EN)

モエジマシダ

2021/11/11 豊島区

モエジマシダ

2021/11/11 豊島区

モエジマシダ

ソーラスは葉の縁沿いにつく  2021/11/11 豊島区

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