シハイスミレ (スミレ科 スミレ属)【紫背菫】
(Viola violacea var. violacea)
シハイスミレは「紫背菫」。
その名の通り、葉裏が紫色を帯びます。
西日本では非常に個体数が多く、よく見られるスミレということですが、関東ではやや稀な種類で各地の山地や丘陵地に点々と存在する感じです。
近縁の「マキノスミレ」は東日本系で、分布をゆるく分けている状態です。
濃ピンクから赤紫の花色で、距は細く反り上がります。
基本的に無毛で、草姿全体にいかにも赤い色素が多いという感じのスミレです。
葉は「ヒナスミレ」に形も色や質感もよく似ていますが、先端にかけてのカーブと尖り具合、基部のくいこみの具合が違います。
東京近辺での分布でいえば、「ヒナスミレ」のうほうが標高の高いところ(500-1000m?)の湿気の有る沢沿い、「シハイスミレ」はもう少し低いところ(200-1000m?)の乾いた尾根沿いという感じでしょうか。
狭山丘陵には残念ながら無いようですが、奥多摩や高尾山とそこから連なる山岳丘陵地には分布し、その末端にあたる羽村市の丘陵に咲くという情報を得て行ってみました。
どう見ても花期には出遅れているのですが…
結果、残念ながらやはり2周間ぐらい遅かったようで、枯れた花がらをひとつと実を発見したのみでした。
どうも数日前に土砂降りの雨が降ったので、咲き終わりの花がらもみんな無くなってしまったようでした。
しかし、独特な葉はたくさん発見しましたので、また来季見に来るべき場所は分かりました。