ウラシマソウ (サトイモ科テンナンショウ属)【浦島草】
(学名 Arisaema urashima)
個性派ぞろいのテンナンショウやマムシグサ類の中でも、ひときわ異彩を放つ一種です。
テンナンショウ類独特の仏炎苞の中から、浦島太郎の釣り竿に見立てたという長ーい付属体が突き出しています。
葉はまるで傘をさしたように、花の後ろに一本だけ立てています。
浦島というより、妖しい宇宙生物が触手のような長い舌をぺろぺろしているようにしか思えません。
受粉に際しては、媒介者のキノコバエを匂いで誘い込み、内部構造で捕らえて強制的に受粉に関わらせ、ハエは脱出できずに中で死んでしまうという食虫植物を連想させる方式をとっています。
しかし、この奇怪な糸は虫集めに役立っているというわけでもなさそうで、未だに意味は不明だそうです。
ちなみに、この糸は自然に成長してきた段階では、常に仏炎苞の後方にある葉の上に引っかかっている状態であって、釣りをしている姿ではなく釣り竿を担いでいる姿が正しいそうです。
つまり、最初の写真のように前方に釣り竿のようになっている姿は、人手が加わっている可能性が高いということです。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】