オオイヌノフグリ (APG:オオバコ科クワガタソウ属)(ゴマノハグサ科)【大犬の陰嚢】
(学名: Veronica persica)
春の路傍や野原に、爽やかな瑠璃の色合いを散らす風物詩ですが、ヨーロッパ原産の明治期からの帰化植物です。
必ず話題になる可哀想な名称の語源は果実の形から付けられていますが、「瑠璃唐草」とか「天人唐草」とかの風雅な名前もあるようです。
最盛期には一面の花をつけますが、個々の花は一日花で、次々と咲き続けます。
一日たって終わった花は枯れずにすぐ落ちてしまうので、いつも綺麗な花が咲いている状態を保ちます。
たいへん繁殖力が強い雑草ですが、春の終わりには枯れて無くなってしまいます。
花は4弁の放射相称に見えますが、よく見ると左右相称になっていて、これは、突き出た2本の雄しべとともにクワガタソウ類の共通の特徴となっています。
近縁の帰化種に白花の「コゴメイヌノフグリ」もあります。
また、本来の日本在来種の「イヌノフグリ」は、たいへん小さな花で今や各地で絶滅危惧となっています。
この在来種「イヌノフグリ」の名に対して「大」イヌノフグリとされたので、「大犬」のフグリではありません。