サギソウ (ラン科サギソウ属)【鷺草】
(学名:Pecteilis radiata)
ランの仲間としては珍しく栽培繁殖が確立してきたらしく、鉢植えなどの園芸植物としてはわりあいポピュラーになっている花です。
しかし、半面、野生自生のものは各地で既に絶滅、または絶滅危惧種となっており、環境省のレッドデータ全体でも準絶滅危惧種となっています。
湿地性ですが、高山ではなく低地性なので、逆に生育環境が激減し乱獲の影響も激しいようです。
東京でも本来多摩川流域の湿地にあったはずで、世田谷区での伝説から鷺草の名ができたようですが、東京では既に野生絶滅となっています。
蘭の花としても変わった形ですが、鷺の部分はランの唇弁部分で、尻尾のあたりが花の中核部分です。
昭和記念公園では8月、「サギソウまつり」をやっていて、もちろん全て植栽と園芸品ですが、池のほとりの一角では移植ながら野外自生のものが一輪だけ咲いていました。