カッコソウ (サクラソウ科サクラソウ属)【勝紅草】
(Primula kisoana) 別名:キソコザクラ
日本固有種の山地性サクラソウの仲間で、世界中で群馬県鳴神山にしか生育しない希少植物です。
山地性のサクラソウの仲間は「チチブイワザクラ」や「ミョウギコザクラ」などのように狭い地域種や変種が多いですが、これは氷河期遺存のためと思われます。
カッコソウには変種の「シコクカッコソウ」があり、以前は同種かとも思われていましたがDNA解析の結果変種と確定されました。
茎や葉、萼などに毛が多く、茎も太いのでワイルドな印象があります。
葉柄の長い葉は厚めでしわが多く切れ込みの多い広円形で、ちょっと「ユキノシタ」類に似た感じもします。
放射状の花序をなす花は、細長い筒部から広く5裂し先端が2裂して、紅紫色でたいへん華やかです。
自生地の鳴神山では、環境変化や園芸盗掘、鹿の食害によって危機的に激減したため、保護地を設けてフェンスで囲い人工増殖も含めて保護育成しています。
山中の保護地では地元ボランティアの方々が案内・監視をされていて頭の下がる思いです。
環境省カテゴリ:絶滅危惧ⅠA類(CR)
国内希少野生動植物種に政令指定。
【Youtube 山川草木図譜チャンネル】